那覇・久米の「琉音」で10品コース

天妃宮跡の近くにある郷土料理店。

かつて有名な琉球料理研究家がやっていたお店を、
お弟子さんが引き継いだ形になるみたいです。

沖縄には独特な食文化が存在しますね。

日本や中国との交易の中で形作られた宮廷料理や、南国の地場産品を用いた郷土料理。
戦後はさらに、米国という巨大文化に蹂躙された関係で、そのミクスチャーはかなり面白いものになっています。

ただ、お味はどっちかつーと大味というか、てーげーというか。
やはり、暑いと料理すんのもやんなっちゃうよなぁという雰囲気も漂いますよね。

もちろんデブ的にグっとくる食べものも無いわけではないのですが、概ね沖縄に美味いもの無しという感想を持っている人も多いと思います。

かく言う私もその一人なので、一度ちゃんとしたもんを食べてみたいなと思って予約しました。

お店は何もない住宅街に引っ込んだ立地。
徒歩圏内にいくつかのホテルもあるのですが、夜になると人っ気もなくなるエリアです。
散策の途中に目につくという場所でもなく、端からこちらを目指して訪れるような設定なのかな。

中は小料理屋風。
座席は詰めずに、予約した少人数をゆったりもてなす体制です。

コースは3種類。
内容はかぶっており、品数が増えていく仕組みです。

まず、突き出しの豆腐ようから旨いとは!

ネッットリ。
麹の香りとほのかな甘味、コクと旨み。

これをちびちび削りながらいただくわけですが、
こればかりは、ビールより、泡盛なので、下戸でも頼まざる得ませんな!

聞いてみたら「あさと屋」というお店に作ってもらっているものみたい。
2時間半前からこの専用器に置いて、しっかりアルコールを飛ばすのがポイントだそうで、初めて知ったわ。

みぬだるセット。

みぬだるというのは、豚に甘辛ゴマペーストを乗せて蒸した宮廷料理。
やはり砂糖醤油にくぐらせて素揚げした田芋と、ゴーヤ、ヘチマの天ぷらと。

どれも作り置きでなく、ちゃんと揚げたて出来たてを熱々で供してくれます。

ゆしどうふ。
擦った山芋とアーサ、梅肉が乗っていますね。

固める前の豆腐なのですが、やはり、沖縄のお豆腐は灰のような独特の風味があります。

どぅるわかしーが特に気に入りました。

潰した田芋を豚肉や椎茸などと練った素朴なお料理です。

これまで、何度か食べたことはあったのですが、芋だし、見た目もアレだし、ただ野暮ったく田舎臭い印象しかなかったのよ。

でも、こちらで食べると、なるほど他とは違うんだなということが分かります。

ひと味、じょーとーなのですよ。

じーまーみー豆腐。

よくある甘辛ダレでなく、かつおだしと生姜で上品にいただきます。
こういうのもいいですね。

すーちきー。
いわゆる塩漬け豚ですが、こちらではしっかり熟成させています。

カリッと香ばしく焼いて、ジュワッと染み出る旨み。

ヒバーチのスパイス、甘く熟したシークワサー。
ほろ苦いハンダマと長命草が添えてあります。

やはりお酒が進む一品だな。

ソーミンたしやー。

これにも感心しました。

ただ、素麺を炒めただけやん!て思うでしょうが、
ダシのいい味をまとってやけに旨いのよ。

ポン酢に浸した島らっきょうとの取り合わせも良いしね。

やはり、お料理はきちんと丁寧に作ると、仕上がりが違うんだなと感じます。

ラフテーは珍しい味噌煮です。

しっかり、きっちり脂を抜いてあって、重たくないのよ。
余分を削ぎ落として残った純粋な豚の旨みと風味。

やっぱし、豚とお味噌はよく合うしな。
地産地消ということで昆布や島にんじん等の島野菜も添えられています。

豚飯は、鶏飯みたいな感じかな。
さっき素麺も食っているので、お腹具合はちょうどいいです。

ちんまり盛った炊き込みご飯にかつお出汁を張って、お茶漬けというか、締めのお吸い物感覚でいただきます。

やはり、出汁の美味しさです。

西国米というタピオカのデザート。
シークワサーのゼリーとアセロラの実が乗っています。

凍ってますが、アセロラの果実は初めて食べたよ。

薬草茶とお茶菓子のクンペンでおしまいです。

料亭のような立派な環境演出は無いですし、
こうして、お料理写真をズラリ並べても、だいぶ質素に見えるかも知れませんね。

たしかに、シンプルで素朴、でも丁寧。

見た目の予想を派手に上回ることはないかもしれませんが、でも、着実に旨い。
そのわずかな差がすごく貴重なんだと感じます。

なるほど、沖縄料理のポテンシャルは実はここまであったんだなと。

オススメです!