那覇・首里の「富久屋」で、んむくじぷっとるー

龍潭通りの一本裏手から、さらにすげー細い路地を進んだ奥にあるお店。

住宅地に埋もれた場所ですし、表通りに何か案内が出ているわけでもないので、ガイドブックの荒い地図だけを頼りに向かうと確実に迷うんじゃねーか?

しかし、こんなマニアックな立地のお店にも、ちゃんと観光客達が集っており、週末のお昼はほぼ満席の状態でした。この人気なら、ハイシーズン中のお食事は予約が必須になるんじゃなかろうか。

お店は南国古民家を改装した規模なので、殊更めんそーれーな雰囲気を醸す必要も無いのだと思います。メディアへの露出はそれなりにありますが、派手には押し出さず、たどり着いた人だけを相手に、昔ながらの素朴で丁寧なお料理を提供するお料理屋さんです。

まず、メニューが読めないのよ! どぅるわかしーやみぬだるあたりは、私もまだ分かるのです。しかし、んぶしーとたしやーは何が違うのか。びらがらとは?ぐんぼうとは? しばらく、シュリーマンになりきって、スマホ片手の解読作業に取り組みましたよ。

もちろん聞けば教えてくれるんでしょうけど、奥さん達はみんな忙しそうだったし、あえて写真や注釈を載せないとこに、安易に歩み寄ってこない、このお店の姿勢みたいなものを感じますよ。

面倒な向きには、お決まりの定食メニューがおすすめです。

芋がらを使った味噌汁のむじぬ汁定食。まず、お店のイチオシメニューがこれだという時点でなんとも渋いよね。かつては祭事に欠かせなかったこの伝統料理が、市井で廃れていくのを守るためにお店を始めたんだって、どっかに書いてありました。

三枚肉や島豆腐も入って、素朴だけど、だしの旨味がしっかり感じられる良いお味です。

こちらは沖縄風豚汁のいなむどぅち定食。

普通のお椀サイズの提供ですが、豚肉がたっぷり入って、こってりトロリ。甘みを感じる独特な味噌のお味で、食べごたえがありますね。

ちなみに価格は一般的な沖縄食堂の定食よか高めなんだけど、きっちり作った副菜の類が充実しているのが良きところで、それらをひっくるめると逆に安いなと感じます。

小皿の中で一番旨かったのはどぅるわかしー揚げ。いわゆるどぅる天ね。素揚げしたコロッケみたいなもんで、ベースとなる豚やしいたけと田芋を煮込んだどぅるわかしーが、実に良いお味なのです。その他、かんぴょういりちー、うさちはなますのことか、じーまみーどうふ、そしてわけぎをぐるぐるしたのが、びらがらまちなんだね。


せっかく沖縄まで来たんだから、ちゃんぷるー的な沖縄料理ではなく、もうちょっと伝統的なものを食べたいなと思う時。でも、料亭などで宮廷料理を肩肘張りたくないよという時には、こちらでのお食事を設定すると、ちょうど良い経験ができると思います。

宮廷料理に連なるみぬだるは、胡麻をまぶして蒸した豚肉。柔らかく、風味よく仕上がっていますよ。

夜はこういう単品料理を肴に一杯やることもできるみたいですが、立地的に夜の方が穴場なのかもしれないな。

んむくじぷっとるー。

タイピングミスじゃないからね! んむ=芋 くじ=葛 ぷっとるーはデンプンを炒めた料理のことなんだって。

弾力のあるもんじゃ焼きのような、スライムのような、ぺっとりプルンとしたお料理です。私は初めて食べたわ! お味はめんつゆ系で食べやすく、ちょっと焦がして香ばしくなっているとこが良いですね。飯にかけてもイケるのよ。

ハレの味というよか、日常のしみじみしたお味をいただける貴重なお店だと思いました。こちらは是非、また寄ろうと思います。おすすめです!