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小田原の「ういろう」で雨あがり

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東海道沿いにあるお菓子屋さん。

名前の通り、ういろうの元祖を名乗っているお店ですよね。

これが世に聞く小田原城か・・・
と思ってしまった遠来の方も多いのではないでしょうか。

一介のお菓子屋には分不相応なこの威容!

しかし、中国渡来の貴族をルーツに、
分家が小田原に居を移して以降、500余年の歴史があるってんだから、
城の1つ2つ建てても怒られないよね。

外観だけでなく、中もすごく立派な設え。
次に地震が来たら、もう建て直せないような気もするよ・・・

もともと薬屋さんが本業なので、
奥には薬局を併設して、秘伝の丸薬を販売しています。

そちらも”ういろう”として知られており、
区別するために棹菓子の方は”お菓子のういろう”と言ってるんですね。

そういう意味だったのか。
”人形焼の木村屋”みたいなニュアンスだと思っていたわ。

一角にこじんまりとした喫茶コーナーがあって、
お店のお菓子や甘味をいただけます。

ういろうやお土産品だけでなく、
わりとしっかりした上生菓子も作っているようですよ。

ねりきり、こなし、きんとんなど、
定番それぞれを季節ごとにラインナップ。

生ういろう生地のお菓子も混じっていたので、
今回はそれをいただきました。

雨あがりと銘の通り、雨後の虹をあしらったもの。
薄皮は黒文字ではなかなか切りづらくありますがネッチリ。
白あんにはご当地の梅を混ぜていて、仄かな酸味とさわやかな後口です。

きっと、小田原茶道会でも重宝されてるお店なんだと思います。

お土産のういろうは小豆味。

神奈川県民ですら、ういろうは東海のもののイメージが強く、
お味や食感がビミョーという先入観が根強いと思います。

元々は黒糖のそれが元祖らしいのですが、
今回は少しでもパンチ強そうなものを選びましたよ。

あちらのものと比べると、
食感はギュッとして羊羹ぽく、
より食べごたえがあると思います。

久しぶりにいただきましたが、案外甘みも十分で、
食べてみるとそれなりにおいしいですし、値段も手頃だよね。

常温保管で比較的日持ちもするので、
横浜のデパートなんかでも普通に買えるのですが、
なぜか、このういろうを買う習慣は全くもって無いですね。

こんなに歴史があるのに、
小田原発のういろう文化はなんで局地的なんだろうね?

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