馬車道の裏手にあるとんかつ店。
この度は創業95周年とのことで、おめでとうございます。
現在の「勝烈庵」は戦後に暖簾を譲られた別人が再興したお店なので、厳密に言うとアレなのですが、こういうのは古くふっかけるに越したことはありませんね。
んで、新旧どちらかの開業が、日付不明の10月ってことなのかな?
「勝烈庵」では例年、この時期に ”かつれつ祭り”が開催され、お食事をすると棟方志功画伯の絵がプリントされたお皿がもらえるのは、ハマっ子の皆が知るところであります。
なんでも、二代目店主がコレクションした縁で、棟方志功とのご縁ができたんだそうな。
暖簾の文字も寄贈の書から取ったものだし、件の天妙地韻な女性画等、「勝烈庵」の各種デザインを通じて、棟方大先生の存在を初めて認知する横浜人も多いのではないでしょうか?
民芸っぽさや、古代のパッションが躍動する作品はもちろん素晴らしく、棟方ありきの本店内装かなってくらいによく馴染んでいると思いますよ。
たださ、それらをお皿にして、家庭環境に持ち込むとなると話は別なのです。
かの荒ぶる色彩と筆致の上に、お料理なぞ盛れるはずもなく、また、家中のどの場所に飾っても浮きまくることラピュタのごとし!
近年は先生の代表作である二菩薩釈迦十大弟子のお皿を1枚づつ12年かけて配布しているのですが、縦長の屏風絵をいつもの丸皿にぶち込むやっつけを見ても、そもそもお皿としての仕上がりは欠片も考慮されていない事がわかります。なんなんだ、この茶色のぼかしは。
そんなわけで、私の中ではゴミになるノベルティ部門でダントツ1位になっておる「勝烈庵」の棟方皿。学校のバザー等でもよく投げ売られておりますものね。
だから、とんかつ祭り期間中は、むしろ利用を避けるようにしているのよ。今回のように、うっかり寄ったら、やはりもらってきてしまう己の貧乏性が恥ずかしいわ。
さてさて、前段が長くなりましたが、久々に本店で食べてきましたよ。
この日はお昼時間を大きく外れてしまったので、通し営業のこちらに飛び込んだ次第です。
流石に1階のみで事足りる先客数でしたが、それなりに途切れず、テイクアウトのお客さんもパラパラと立ち寄っている様子でしたね。
時間外れだとご飯なり、お椀なりの状態がやや弱るので、コロナの諸般もございますけれど、やはり活気のある時間帯にいただくの一番だなと感じました。
勝烈は、創業者がヒレ肉を切り開いて四角く揚げる工夫をした逸品です。
こちらはロースカツ。
近年は全国の銘柄豚を使ったメニューもありますが、そういうの本格路線は別の分厚いお店で堪能すればいいのかなと感じます。
こちらでは勝烈とロースにそれぞれ別の自家製ソースがついてきます。
私はマイルドで甘口な勝烈ソースの方が好きで、肉そのものよりは、フレッシュなソースをドブドブにかけていただくのが勝烈庵の醍醐味かなと思っておりますよ。
コメント一覧
カツもよろしいのですが、
牡蠣フライはまだ始まってなかったですか?
>jincunさん
まだでした。
そろそろ美味しい時期ですので、良質なカキフライ提供店を確保しておきたいものです。