門前通りにある和菓子屋さん。
お参り帰りにぶらぶらしてて気になったんだ。
本店は嘉永3年創業の老舗で、茅場町の方にあるらしいよ。
東都のれん会にも名を連ねる由緒正しい江戸のお店だったのか。
深川支店もこじんまりとしているけど、
下町っぽいレトロな佇まいだよね。
店先は一人入ればいっぱいになってしまう狭さ。
高級感とかは無くて、むしろ古の埃っぽさを感じるかな。
声をかけると、奥から優しげなお母さんが出てきて対応してくれた。
最中とか水ようかんとかもあるのだけど、
生菓子や蒸菓子よりも、焼きこんだお菓子が目立つ。
名物らしいものをピックアップして、ちょこっと買っただけなのに、
こっそりおまけまで入れてくれて、なんか嬉しかった。
これが深川の人情か!一力先生!
まずは左手前。
ペリー来航の年に蘭学者の指導の下に創作し、
大ヒットしたという亜墨利加饅頭から。
我々もよく食べる栗饅頭やらの原型とも言われてるらしく、
釜で焼いた和菓子の元祖なんだそうだ!知らなかった!
お味はかなり旨いのよ。
皮が外れやすい欠点はあるんだけど、焼き上げた香ばしさがあり、
しっかり味ながら切れの良い白餡と、上に乗ったクルミのアクセントがベストマッチ。
奥の銅鑼焼きは2代目が考案。
持ち帰りで潰してしまったわけでなく、
皮とあんこを一緒に焼きこんだ一枚タイプなのよ。
これも旨い。
あっさりとしたつぶあんも上手く炊けているけど、主役はむしろ皮。
この甘香ばしい感じ、糖分の染みた歯ざわりといい、好みにドンピシャ!
右手前は六代考案の佛蘭西饅頭。
これも焼きこみタイプ。
中はしっかりなこしあんで、
周囲の薄皮はメレンゲがけされていてサックリ。
甘夏皮の砂糖漬けが風味を加えています。これも良いいわ。
真ん中のももやまは黄身餡を焼き上げたもの
しっとりホロリとしておいしいです。
ネーミングや物珍しさで売るキワモノではなく、
どれもお菓子としてきちんと美味しいのがすごいところ!
きっと、各代の当主は自分もなんか作らなきゃってプレッシャーがデカイだろうな!
京菓子とはまた別の江戸菓子の良さを感じられるお店。
今まで知らなかったのは、すごく損した気分だわ。
オススメ!
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