お外に出らんない皆様の為、食欲デブが、オススメのレシピ本を紹介する仮設シリーズ。
第2回は中華の分野からピックアップしてみましたよ。
ウー・ウェンさんのレシピ本と聞いて思い浮かぶのは、この「北京小麦粉料理」でしょう。
餃子をはじめ、小麦粉をこねて作る麺、餅、饅頭、点心の類まで。それまで、ご家庭の料理本には露出しなかったような、北京の台所の営みを垣間見せてくれた良書です。
ネット動画普及前夜の出版物として、工程の小写真をたくさん掲載したり、餃子の包み方のパラパラ写真がついてたり、いろんな工夫が盛り込まれていますね。ただ、20年も前の本なので、やや古さも見えてきました。
めくって楽しい本ではあるのだけどね。実際、作ってみたのはほんの一部かな。粉の扱いも繊細なようで、それほど上手くは仕上がらなかったんだよね。
今回のオススメする本は「ウー・ウェンさんちの定番献立」
もちろん、中国料理のレシピがメインなのでありますが、こっちは本国の味や文化を再現するための手引ではないのだと思います。
ウー・ウェンさんが日本で暮らす主婦として、自分ちの食卓を守る中で、お味だけでなく、素材の力や、食べる人の健康を考えながらだどりついた家庭料理の姿が垣間見える本。
読んでいるうちに、はたと立ち止まって、これまでの生活を見直したくなるような、若干の哲学要素すら感じられるレシピ本なのです。
特色は、シンプルであること。
ウー・ウェンさんちの冷蔵庫はほとんど空っぽの状態が普通なんだそうな。
旬を大切に、その日、買って来たものをその日のうちに食べきることが基本。
それな!
せっかく朝どれ野菜を買ってきても、冷蔵庫で何日か寝かせて食ってたら意味が無いんだよね。流通や保存の技術が向上した時代ではありますが、食の原点を忘れてはいけないのでしょう。
つっても、毎日買い物へ行ってらんない我々は、買い置きや作り置きもしょうがなぇこと。決して真似はできないんだけど、せめて当日だけでも、そんな風にお料理したいなぁと思います。
レシピは季節ごとに分かれ、基本的に主菜、副菜、汁とご飯という形で計20組ほど。
真髄は定番中華のメインよか、副菜の方だと思います。
我々が豪華な中国料理にイメージするような足し算ではなく、素材の持ち味をそのまま楽しむ引き算のお料理。
調味料も調理工程も、やはり、ごくごくシンプルなものになっています。
スープベースは水でいいとか、蒸し野菜をかじるとか。炒めものも、温かいボールの中で油とやさしくなじませるイメージでとか。
そんなの地味だし、バエにくいし、塩とゴマ油だけレシピを、いちいち教わる必要あんのかとも思いますよね。
でも逆に、それでいいんだって言われなきゃ、我々はもっと手間や味を足してしまうでしょ!!
たまに読んで、過剰になった調理感覚を引き戻すのに良いなと思うのです。もちろん、マズくちゃ単なる手抜きです。食味をおろそかにしていないとこは、ベジやナチュラリストの思想先行とは一線を画しますよ。
ちなみに、今の季節ならば、右上にある新玉ねぎを丸ごと鍋に敷き詰めて、水と酒で蒸し煮する奴がオススメ。お味は塩コショウのみだけど、すげぇ旨いのよ! コンソメなんていらないからな!
皮から作る餃子のレシピもちゃんと載ってます。定番料理もおさえてありますから、中華のレシピ本としても、普通に実用的ですよ。
ちなみに餃子は「北京小麦粉料理」の工程は大きく変わりませんが、薄力粉を使って扱いやすくなっているようですね。
調理器具も包丁1本も鍋3つあれば事足りると言っています。
何のことはなく、全てウー・ウェン印の商品です。
その中で「北陸アルミニウム」が作っているウーウェンパンはガチでオススメしたいです。
焼き、炒め、煮、蒸し。全てをまかなえる万能中華鍋。我が家では主に手軽な蒸し器として、ちょいと野菜を蒸したりするのに重宝しています。今日もこれから焼売を蒸すぜ!
蒸してる間にうっかり空焚きしてしまうとテフロンのコーティングが痛むので、炒め鍋としての寿命はそうそう長くはありませんが、当初のモデルよかだいぶ軽く、コンパクトになりましたし、今後も買い替えながら置いておきたい鍋の一つです。
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