みなとみらいの東急ホテルで開業25周年のビュッフェをやっているということで、ちょいと覗いてきました。
つか、もう25年も経っちまったのかよっ!!?
時の潮流が来島海峡なみに速すぎて、人生に座礁しそうな今日このごろですよ。
MM御三家の中では、いまいち印象が薄い東急ホテル。
実際、最も規模が小さいですし、ロイヤルパークの圧倒的眺望、インターコンチの「オレの海よ」に対し、景色もなんだかハンパじゃん? 気張って、ど真ん中に泊まってはみたものの、MMってのは、それ自体を外から写すことでバエるのだと気付かされる宿泊者も多いんじゃなかろうか?
少なからぬお客様が利用するわりに、社員通用口みたいなクイーンズ軸口のお出迎えはどうにかならんかったのかとか、そもそもクイーンズスクエア一帯を自社で押さえてるのにろくな連携が出来ていないとか。偽ヤシを生やかしたリゾート風も、もう何年かで熱海になりかねねぇしさ。
レストランについても自家で育てるより、知名度あるお仕着せを羽織って、手っ取り早く体裁を整えてる印象かな。ただ、ビュッフェについては、地場産品などを取り入れつつ、企画ものも頑張っている印象がありました。もっとも、毎度中身を突き合わせてるわけではないので、あくまで字面上はそう見えたってだけなんだけどさ。
会場となる「カフェ トスカ」はホテルの正面に付き出た、高い天井と大きな窓の開放的なレストランです。席間隔を十分に開け、間にはパーテーションを立てたりと、及第のコロナ対策は出来ていると思います。
今回のフェアは「アニバーサリーブッフェ ~こだわり食材の旅~」
周年記念にふさわしく、過去のコラボフェアで好評だった食材やお料理が大復活する内容とのこと!
どんなご馳走がならんでいるのかしらと、ワクワクしながらビュッフェ台へ走ったのですが
うん、そうか、思いの外フツーなんだな。
ぶっちゃけ、看板にアニバーサリーと掲げていなければ通常のランチビュッフェと区別つかんかもね。
確かに説明を見ると、日本各地のブランド野菜などを使用しているらしいのだけれど、まぁ市場で普通に仕入れても、各地の産品なわけですし。はたして熊本県産天草大王のささみを「まさに!」と味わい分けることのできるお客さんがいるのかどうか。
素材単体のアピールができるのはせいぜい果物くらいかもな。むしろ、この手のお国巡りは、素材よか、ご当地料理主体ですべきだったじゃなかろうか。
ちなみにこの中では何の産地も記されてないアスパラ一本揚げが旨いです。
そして、このホワイト&ブラウンに染まりきった温菜コーナーはどうなのよ。
シンプルモダンな新築住宅だって、もう少し色が入ってっぞってツッコみたくなるわよね!
お味はそこそこですが、彩りとトキメキも必要かなと思います。
料理数については、一通り味見して回れる程度の適量。
料金の中にファミレス的ソフトドリンクバーが付いてるのは楽ちんですね。
なお、前半の皿下げはまめにやってくれましたが、後半は積まれたままになりがちです。13時を過ぎたあたりからレストラン内の全てが停滞していくので、予約は早い時間の方が良いでしょう。
トスカのビュッフェのウリはライブキッチンです。
中央にコックさんが詰めた円筒形のブースを設置して、4つのお料理をその場で仕上げてくれます。
素ケチャップライスの上に、とろとろ玉子をのせた、きのこソースのオムライス。
荏胡麻豚のメンチカツは半個分の揚げ置きを盛っただけでしたが、見た目に反してお味はイケました。
とりあえず、肉を揚げとけばデブは喜ぶからな。
ヤマト醤油味噌の塩糀でマリネした脂っ気のないローストビーフは、ローズマリーのオイルよか、和風ソースで食いたかったかも。ちなみに色彩の無さに耐えられず、自分で葉っぱを盛ってきたわ。
そして、満を持して真打ちは、開業以来の名物料理。大きなパルミジャーノ・レッジャーノ玉の中で和えるパフォーマンスでおなじみのカルボナーラスパゲティです!
つっても、チーズリッチというよりは後からかけるコンソメ風味のクリームがお味の主体なんだけどね。
このサービスについては、だいぶ一般化もしましたから、いまさらお客は呼べないかなとも思います。
デザートは種類が多くありませんが、お味はまぁまぁ。
ご自分で好きなだけソフトクリームを絞れますよ。
時折、チリンチリンとベルがなるので、なんじゃと思ってたら、ピザ焼きたての合図らしいのよ!
薄焼きの生地にしょっぱいチーズと山ほどの加工肉が乗って、熱々ならば、全然好きなヤツだわ。
とりあえず、このピザとコーラとポテトとしょっぼいスパゲティだけあれば十分満足・・って「シェーキーズ」じゃねーか!! 「シェーキーズ」に行きたいだけじゃねーか!!
そうそう、パンは「メゾンカイザー」のものっていうのもウリでしたね。
さすがにもういっかなって思ったのだけど、記事のため、この一言を書きたいだけのため、身を挺して詰め込みましたよ。そう、私が太るのは全て読者のせい。
つってもね、湿気ったちっこいのが3種類ならぶだけだったので、これもどうかな。みんなも取ってなかったし。
最後に、巣から滴る式のはちみつが旨かったから、それは書いておけと言われ、甘さの追撃となりました。
そんなこんなで「トスカ」のビュッフェもかなり久しぶりの訪問となりましたが、力を入れたフェアで、この仕上がりだと、普段は推して知るべしかもって思います。
まぁ、お値段も比較的手頃だし、ホテルビュッフェはそもそもこんなもんだよって言う方も多いでしょう。実際、一昔前は楽しめたのですが、その時点から大きくは進化してないのかなって感じます。
MM周辺でも新規ホテルが次々オープンしてますし、御三家もろとも、にアップデートを考えなきゃジリ貧かもね。
コメント一覧
ビュッフェという導線は、もう難しいと感じます。然るべきカネを払った人に見合ったサービスを提供するようにならざるを得ないかな、と。
古いインターコンチの新しいクラブラウンジも、悪くないですけど、コロナ前の良かった頃に比べると見劣りが顕著です。インバウンドという底堅い需要が蒸発したがゆえに、さもありなん。
で、みなとみらい御三家はハードも古い。ロイパは近々、改装が入るみたいですが。インタコはピア8とのすみ分けでどうにかなるかもしれないが、旧パンパシは一番、微妙な立ち位置かもしれない(東急ホテルが全般的にダメなので)。
で、ハイアットはいいわけですが、こちらは観光(中華街)需要かな。ローズホテルやニューグランドにはない、丁度いい感じがします。
他方で、ヒルトンやウェスティンはどうだろう。いずれもアクセスもビューも悪い。いずれにせよ、底堅いはずのインバウンドが蒸発した今、ホテルがビュッフェに、どこまでカネをかけるかはよくわかりません。イチゴ農家さんなんかには、死活問題でしょうか。
>つちころりさん
五輪景気で溜め込んでからのリニューアルに期待してたのですが、このままジリ貧の大衆路線を進みそうなムードも見えますね。
ホテルのレストランてのは結局ブランドや環境を食わせる商売なのかなと思うのです。そういうのは一旦弱るとなかなか持ち直すのは難しいですよね。
この手の総合ビュッフェは、今やほぼホテルでしか味わう機会のない文化なので、大事にしてほしいのよ。
もちろん味や質には限度があるので、むしろ、エンタメ感や楽しい食事経験をどうやって演出するかが問われるのです。
特にランチは概ね宿泊者は利用しませんから、外部のお客さんを呼び込み、ホテルの評判を育てる効果が期待できる点で、大きな役割があると思うのだけどなぁ。