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新横浜ラーメン博物館の「浅草 来々軒」でらうめん(青竹打ち麺)

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ラーメン博物館に復刻することになった浅草のレジェンド店。

オープン前の試食会にお呼ばれしてきましたよ。

当時、学校帰りの友達とドキドキで食べに寄った思い出があるラー博も、あっという間に25年かぁ。

全国の有名店を集めたラーメンコンプレックスの魁として、また地方に埋もれたご当地ラーメンに光を当てる存在として、その守備範囲は遠く海を越えた海外の人気店にまで及びます。

そして、ついに時をも超えてきたか!

かつて明治の世に、浅草で一世を風靡した「来々軒」 ラーメンブームの元祖とも言えるかの店のお味を現代に復活させるプロジェクトが、実を結びました。

早々に脱落していった他の施設と違い、ラー博が今日まで生き残ってこれたのは、拡大&進行してくブームの一歩先を見て仕掛けているからだと思うのです。

首都圏にはすでに数多様々のラーメン店がありますよね。そんな中で、わざわざ入場料を払ってまでここに来る意味は、やはり、日常では得難い体験ができるからだと思うのね。憧れの名店、足を運ぶ機会の少ない土地の味、逆輸入ラーメンにも驚いたけど、すでに失われたお味は、マニアがどんなに旅費を出しても食べられないものだからな。

伝説の店「来々軒」

最盛期には、なんと1日に2~3千人ものお客さんが訪れたという浅草の超絶人気店だったようです。

我々はもちろん実際に体験している世代ではありませんが、ドラマやコント、創作物の中で、ラーメン屋が電話を取れば「はい、来々軒!」というイメージがしっかり刷り込まれているもんね。どんだけ名高い存在だったかがうかがえますよ。

創業者は元々、横浜で税関職員をしており、当時、南京町で食べていた ”南京そば” を日本人向けにチューンナップして、今日のラーメンの祖となるものを作り上げました。

ちなみに当時の南京そばってのは、中国の肉絲麺由来のもので、豚やたけのこの細切りを乗せた塩味のそばだったんだって。でも、肉食に慣れない当時の日本人にとって、南京そばや中国料理はすげー油っこく感じるものだったらしく、これはあんまりウケなかったんだそうな。

そんな中、油っぽさや豚クサさを抑えつつ、タレには醤油を用いて、日本人の慣れ親しんだ蕎麦の方向に近づける工夫をした「来々軒」のラーメンが大ヒットをかましたという経緯みたいです。

その辺はラー博の展示やビデオにわかりやすくまとまってて、勉強になったわ~

そんな「来々軒」も、関東大震災や一族出征による影響でついに閉店。戦後、八重洲に復活するもそのお店も今は無く、東京の醤油ラーメンの草分けは失われたお味になりました。

今回のプロジェクトでは、当時のお味を再現すべく、素材に拘り、麺に使っていた粉を探すみたいなことまで行ったようです。その辺はラー博の特集ページを読んでみてほしい。

ザ・マニアック。ラヲタてヤツは・・・

なお、実際の調理は「支那そばや」が盤石のサポートを行う模様です。

観光客やインバウンドの大幅な減少。

ラー博はコロナの影響をモロに受けている施設だと思います。

それでも、試食会には多くの人が集まっており、注目度の高さがうかがえます。

お店は「無垢ツヴァイテ」の入っていた場所かな。

どことなく納豆っぽいのれんの意匠も当時の再現みたいよ。

やってきました、らうめんです! シンプルで潔い様が良き。

一口いただいて、なるほどなぁという感じです。

旨すぎない。

いや、旨いんですよ。我々の思い浮かべるラーメンそのまま。ノスタルジックで、ずっと飲んでいられるようなスープです。でも、今日の最先端と比べると、やはり一歩手前のお味なのです。

ぶっちゃけ再現てのは難しいと思いましたよ。素材もレシピもかけている部分が大きいし、当然のごとく、明治、大正、昭和にかけて、お店の味もだいぶ変遷していると思うのです。証言だけでは心もとない標よ。

こだわりの食材を集めて、丹念に工夫を重ねて、なんだかんだで支那そばや味ができるだけじゃねーかと心配もしました。

このケースについては再現というより、むしろ、どの時点に落とすかみたいな話になってくると思うのです。レシピやスタイルの大枠に沿った中で、時計や美味しさのベクトルをどこまで進めるか。

ラーメンとしておいしく、同時に古を感じさせるようなこのバランス。リアリティがあるというか、腑に落ちるというか、いいとこ狙ったなぁと感じます。

麺は細と中太が選べ、前者は機械打ち、後者は青竹打ちでちょい高くなります。

今回はせっかくなので、青竹の方を選びました。

この麺も現代の感覚からみるとだいぶ柔め、優しい口当たり。コシや歯ごたえなど、青竹だからすげぇ的な気張りは見えませんが、これはこれで古式として落ち着くような感覚もあります。

大ぶりなシウマイも、中華街的な肉肉しいものではなく、ほんわりと柔らかなタイプ。これも強くは押し出してきませんが、古の浅草らしさといわれれば、そんなような気がします。

めんまは醤油の香ばしさを感じさせるもの。香昔風の焼豚もまたすこぶる旨いです。これらパーツの印象も後味の良さに大きく貢献しています。

ゆくゆくは創業後で「来々軒」の復活を目指しているとのことですが、面白いと思います。大いに期待したいですね。

ちなみに、しばらく来ないうちにラー博の展示にも手が入った様子。隣接する施設内には青竹打ち麺づくりの体験コーナーも整備されていましたよ!

オジサン、ちょっと興味があったんだけど、他に誰もいなかったから・・・泣く泣く諦めたわ。

なお、窓の向こう側では、職人さんが実際に麺を打ってる姿が覗けます。各店とも狭いからね。「来々軒」の青竹麺を含め、こっから供給できるようなシステムになったのかな?

コメント一覧

  1. jincun より:

    この長ネギのみじん切りが浮かんだスープの感じ、、、好みです。

    シンプルな見た目と横のシュウマイとあわせて一瞬ウミガメ?に見えました。

  2. バビブラ より:

    「今は無き昔の名店」シリーズがもし続くのであれば・・
    数年前に閉店した横浜中華街の名店『雲龍』のパイコー麺も是非お願いしたいなあ。

    ・・行こう行こうと思いつつ、実は一度も食べたことが無いので。

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