横浜中華街の「獅門酒楼」で来なチャイナ

関帝廟の裏手にある広東料理店。

コロナ禍はあらゆる飲食店を飲み込んで、重き災厄を現在進行形で背負わせています。数多店舗がひしめく中華街は、観光需要が多い分、深刻な影響を受けていますよね。

この騒動で、浮き彫りになったのは、お店の地力というか、これまで重ねてきた評判の厚みだなと思うのです。地元で長く愛されているお店は、逆境の中でもそうそう揺るがないのだなという光景を何度も見かけました。

ブランド価値を高めることで接待や会食に重宝されていた類のお店も、素に戻った感覚でもってふるいにかけられる流れかなと思います。あらためて、自分でお金を出して、旨いものを食べたいなと思える飲食店であってほしいなと思うのです。

さて、評判のランチメニューが無い週末のお昼は、中華街で何を食べれば良いのか。

そもそも、土日は死ぬほど混雑する中華街に寄り付かないようにしていたので、気がつけば、ろくな解答を持っていない私です。

この日、たまたま通りがかったところ、「獅門酒楼」の店頭にお得なコースメニューが出ているのが目に入り、寄ってみることにしました。きっと前から出してたものなんだろうね。

ちなみに、若い観光カップル向きに定番料理を供するミニコースは、そう珍しいものでは無く、中華街を歩く中で、いくつかが目に入ってきます。内容的にもベタベタでお店ごとの個性は出ませんし、品数が多い分、安価相応のクオリティであることがほとんどなので、普段なら選択肢には入りません。

しかし、そこは俺たちの獅門酒楼。他とは信頼感が違います。

その名も ”来なチャイナ”

その名も ”来なチャイナ”

その名も ”来なチャイナ”

と、ネーミング担当者が恥ずかしくなるくらいコース名を繰り返しておきます。

はじめはエビも入った前菜盛りから。なお、これは３人前の分量です。

フカヒレ入りトロミスープと、パリパリの春巻。

ぷりっとしたエビチリ。

牛肉とキノコのオイスターソース炒め。

じんわり味の焼売。

パラッパラにしっかりと炒めてあるチャーハン。

締めは杏仁豆腐かマンゴープリンが選べます。

以上、全８品からなるランチコースでした。

この値段では、ちょっとお料理を出し過ぎなくらいですよね。

内容は、やはりごくごくオーソドックスなもので、お味の山場は初手の叉焼かなと思います。ただ、その後のお料理もよくあるやっつけではなく、普通に楽しめるものですし、値ごろ感は抜群。

なにより、このデザートが絶品だから、終わりよければすべて良し的なハッピーエンディングを迎えられるのではないかな。

来なチャイナ、アリだと思います。