昭和4年創業の「明月堂」
元々はチロリアンのようなハース巻煎餅を製造卸をする会社だったようですね。
現在、本社は郊外の工場に設置され、市街に本店を構えていないのですが、川端町に初の直販店を構えた歴史があるようなので、上川端商店街の店舗にやってきました。
旅や出張のお土産は、私のように目を血走らせながら買い集める人間ばかりでなく、それっぽい名物や地名がついた商品であれば十分だと、適当に見繕う方もまだまだ多いのでしょう。
しかし、ご近所、親戚、同僚にまで配りまくっていた大量購入の時代はすでに終わっておりますので、昭和式の銘菓はどうしても尻すぼみな市場となりますよね。
人々の行動範囲にも広くなっておりますから、各地で類似するテンプレ商品は、必ずしもご当地らしさをアピールできません。
この先は原点に戻る形で、ここでしか買えない、作りたての、ちょっと良いお菓子の自家消費分が新たな需要となるんじゃないかな。まぁ商いの規模は大きくなりにくいのだろうけど。
ただ、定番品の中にも例外がありますよ。
博多とおりもんは、憎からぬ存在です、というかスキ。
白あんを焼き皮で包んだ洋風饅頭という、その仕様だけを聞くと、月次なお菓子です。
でも、口に入れるとミルクやバターの豊かな風味。ネットリな白あんと薄い焼き皮が、しっとりと馴染んだ状態が、他ではなかなかなくて、おいしいのよね。
昔のまま、雛形通りに作り続ける価値もありますが、工夫や向上心を反映させた商品の輝きは、簡単には鈍らないんだなと感じます。
コメント一覧