儀保駅近く、首里城の麓にある琉球菓子元祖を掲げる新垣の本家。
沖縄初のお菓子屋さんとして三世淑康が起こした店を三男筋が受け継いでいるのだとか。
お店は閑静な住宅街でひっそりと営業されていたよ。
ものすごい肩書きを持つわりに、店構えは街のお菓子屋さん的な構えで驚いたわ。
観光ルートでも繁華街でもないため、周囲に人も歩いておらず、
お客さんもひっきりなしにやってくる様子ではなさそう。
ものすごくスローな雰囲気よ。
店の方もうちは本家でござい!というような気取りは全然無くって、
奥さんが「端数はおまけしときますね」なんていうような気さくな下町対応だったなぁ。
ネット上でも、まともな店舗紹介すら見つからないのだから、
今時珍しく、地道に伝統を守り続ける昔気質のお店なんだろうな。
くんぺんは最も大きなサイズ。
主に皮の部分を楽しむ設計みたいだわ。
口に含むとピーナッツの香りがして、食感や風味は往年のたまごパンみたい。
ここのちんすこうはギザギザがないんだね。
気泡が大きくシャクッとした軽めの食感。
甘い香ばしさがあり、やはり三つの中では一番の出来かも。
花ぼうるはカリボクな食感で、
黄身色の断面は気泡の密度も極め細やか。
甘みも風味もちょうどいいかな。
ここではカップケーキ型のちいるんこうも販売していたの。
脇の小粒は「来来」のものなので別口ね。
卵の香りのムッチリ蒸しパンで、
細かく切った桔餅や、赤く色づけたピーナッツが散らしてあるもの。
素朴な甘さでこれも十分美味しいのだけど、
おそらく本来の大サイズで蒸したものはもっと旨いのだろう。
いつか食べ比べてみたいものだ。
新垣三店ともそれぞれのお菓子に微妙な違いがあって、
どこか一店を選ぶのは難しいんだけど、あえて挙げるならやはりこのお店かな。
お菓子としてのお味がいいのはもちろん、ストーリー的なはったりも効くしね。
ただ、ここのお菓子は密閉包装ではないため、一番劣化が早いのよ。
持ち帰って、誰かに渡す間にだいぶ印象も変わってしまうため、
こっそり自分ちで楽しむのがいいんじゃなかろうか!
首里城から首里駅方向に戻るのと同じくらいの労力で辿りつけるし、
古風なスポットを歩きながらのコースもあるみたいなので、ぜひ立ち寄ってみてほしいな!
コメント一覧
おもしろい
>山城さん
そりゃどうも