いやぁ、ビックリたまげましたよ!
太宰府天満宮へと至る参道には、名物の梅ヶ枝餅を焼くお店が、ズラリズラリと軒を連ねているではありませんか! こんなにも数があるのかよ!
梅ヶ枝餅専業店ばかりでなく、飲食やお土産の副業というお店も含めての数字になりますが、実に30軒以上が梅ヶ枝餅協同組合に加盟して営業しているんだって。
日本各地に門前鳥居前名物となるグルメが存在しておる中、同じ商品に、これほどまでの販売店が群がっている例は他に無いんじゃなかろうか?!
太宰府天満宮の梅花紋をモチーフにした梅ヶ枝餅は、粒あんをもち米とうるち米で使った餅皮に包んで焼き上げたお菓子です。
困窮した菅公へ、ババァが枝に刺した餅を差し入れた的な伝説はだいぶ眉唾だと思いますけど、福岡県内には他にも松ヶ枝餅や恵比寿餅の名で同様のお菓子が売られているので、ご当地に根付いた食文化であることは間違いありません。
梅ヶ枝餅は組合にて商標等を管理しており、各店同一価格にて販売中。製法も、大き分けて手焼き器か自動焼き機械の2パターンで、どこも同じ製品を使っている様子です。
もちろん、皮の配合やあんこの調味などに細かな違いはあるのでしょうけれど、ぶっちゃけてしまえば、どこもお味に大差無ぇからこそ、この数の店舗が共存できているんだと思います。
一番人気は、やはり「かさの家」です。
デパート物産展などに出張してくるのは大抵こちらで、なんならうちの地元スーパーにも冷凍パックが売ってますもんね。
参道では和茶房やカフェの他、お食事もできる「笠之家」、手ぬぐいや和雑貨の販売店等も展開して、景気よくやっておりますよ。
店頭に行列ができるくらいなので、もちろん自動焼きの機械を使っております。
梅ヶ枝餅は焼き方というより、むしろ、いかに焼き立てアツアツをいただくかがキモとなると私は考えます。
30軒の中から、いかにも売れてそうな、焼き置きしないようなお店を選ぶ事が重要なのよ。
持ち帰り用は温かいうちにビニール包装までしてしまうんだな。
その場ですぐにいただきましたが、包装で蒸された分、餅がトロリと柔らかくなっておりました。これはこれでいいね。
餡はしっかり甘いのだけど、小豆の素朴さも感じるようなテイストです。
ホテルに持ち帰った分は、やはり皮が固くなるようで、焼き直さなきゃおいしくないな。だから、福岡のお土産で貰っても、正直、あんまり嬉しくないんだよね。
ニ番人気は、おそらく「やす武本店」
高級感漂うモダン禅な店舗にリニューアルして間もない様子で、これが参道では最もハッタリの効いた店頭になるため、お客さんも素通りはできません。
こちらでは店内のカウンターで立ち食いもできるので、表で邪魔になることもありません。
ヴィランを収容した重警備刑務所のごとく、奥の焼き場から小さな引き出しを経て、焼きたて一個がレジに届けられる仕組みが、なんだか面白いですね。コロナ禍ですよ。
こちらも梅ヶ枝餅専用の自動焼き機械を導入して、パカパカと量産しております。
手焼きに比べて、やっつけなのかというと、そんなことはなくて、機械が入ってるお店は安定的にたくさん売れている証拠なんだと思います。日持ちしない売り切り品ですから、過剰に焼いて余らせても不経済ですからね。
こちらは餅も餡もウェットで柔らかなのが特徴かな。
お味もおいしい。多分どこのも、焼き立てなら旨いんじゃないか?
「かのや」は職人さんが手焼きするお店です。
こちらもまぁまぁ混んでる印象で、目下休業中らしいのですが、奥にはフレンチと日本茶を提供するオシャマなレストランも併設しております。
手焼き器一つに四個分の型がついており、ガス火の上で表裏ひっくり返しながら焼き上げます。
手仕事バンザイ。いかにも焼き手の技術や素材の差が出そうよね。
ただ、ご覧の通り、見た目だけでは機械焼きとの差はよく分かりません。
実際は、ぷっくりと丘陵型に焼かれており、比較的皮が厚めの比率になっております。
じっくり焼いて、お餅表面のサックリ感や焦げ香ばしさが出している感じかな。
ただ、たい焼きにおける天然or養殖ほどの差は無さそうで、ぶっちゃけ大差はないのかも。
最後は「茶房きくち」です。
こじんまりとした間口ではありますが、わりと固定客がついてそうな雰囲気なのよ。
こちらは手焼きと機械と両刀使いとのこと。
ふっくらとした焼き上がりなので、これは前者のをもってきてくれたのかもな。
皮の表面はサックリ、中はむっちり。
こだわりのあんこの淡い色が他と明らかに違いますね。
お味も私の大好きな一塩を効かせるタイプだったので、どこか一店だけを選ぶなら、この「きくち」にしちゃうかも。
ということで、4/31軒では、到底知った気にはなりませんけれど、とりあえず、どこも焼き立ては旨かろう梅ヶ枝餅のご紹介でした。
日によっては、よもぎや古代米入りの商品が売られるらしく、また、カフェではチョコがけしてみたり、ぜんざいにそのままつっこんでみたり、2個の梅ケ枝餅でさらにあんこを挟むという狂気な夫婦餅という食べ方もあるようで、まだまだ沼は深いようです。
コメント一覧
生活クラブから来るのが「やす武」のもの。冷凍庫の常備品を見直し判明。電子レンジ→トースターで加熱して、皮はパリッとなるのですが、あんこはあやうくやけどしそうな熱さに。
こち吹かば匂ひおこせよ梅が枝餅 あるじなしとて味を忘るな
>竹中麻実さん
レンジとトースター併用が玄人ですね!
どっちかだけだとドロドロかカチコチになっちゃうし、加減が難しそう。