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京都・丸太町の「すはま屋」で州濱セット

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かつてこの場所に「植村義次」というお店がありました。

きなこを蜜で練って作るお菓子、州浜の京都唯一の専門店。

地味なお菓子、地味な店舗。商品も3種類しかないような、こじんまりとした商いをご夫婦だけで守る体制でありましたが、閉店の報を聞き、創業400年近い老舗も、その伝統もあっけなく潰えるものなのか、悠久の京都にも永遠は無いのだなと衝撃を受けた記憶があります。

そんなお店が、先ごろ、カフェとしてまさかの復活!

ツテのある若い娘さんがお味を絶やすまじと弟子入りをし、果敢に挑んだ経緯なんだそうな。うわぁ頑張ってくれたなぁ!

場所は元と同じ。外観もほぼそのままですが、店内は1階をぶち抜いて、今風の品のいいカフェ空間に改装されておりました。

州浜専科のお店として、名前を受け継ぐのではなく、カフェとしてのリニューアル。お抹茶だけでなく、珈琲や紅茶と合わせたり、なんならケーキの提供もするようなところ。

時流に合わせた面と、お姉さん自身の理想もありましょう。もしかしたら、真正面から相対するのは、まだまだおこがましい的な気持ちもあるのかなと想像します。

復活を遂げた州濱のセットです。ドリンクの方には春日乃豆も添えてくれるのか。

この渋い二色。元々はこのように婚礼や儀式に使われる洲浜台を模した形に仕立てるのが、伝統なんだそうですよ。

もちろん、すはまというお菓子自体が途絶えたわけではなくて、今でも京都のそこら中に転がってます。すはまだんご等の商品は京土産の定番の一つでもありますし。

でもね、「植村義次」のを食べてみると、ぜんぜん違うのよ。お豆と蜜の香ばしさ、絶妙な甘み、食感の面白さ。出来上がりの美意識。地味でシンプルなお菓子ゆえ、確実に技の差が出るようなとこもあるんじゃなと思ったんだよな。

そんな伝統を、血統の外から急遽受け継ぐ形になり、祝福や応援の声だけで済むはずがねぇよな。京都だし! 前に比べて云々という話は、どうやっても避けて通れないと思うのです。

きなこの香りとコク、ぬったりな舌触りにシャリシャリの砂糖。いやいや、ちゃんとおいしいのです。立派につながったなと感じますし、これから更に磨かれていくのが楽しみよ。

珈琲がしっかりとしてる点にも真摯な姿勢が透けて見えますね。仮に州浜がなくとも、カフェとして十分名を成せる店主だと思います。私は足し算だと思います。

良いお店ができました。

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