関西圏を歩くと「力餅食堂」の看板を見かけることも多いと思います。
あんころ餅が評判だった寺町六角の甘党食堂をルーツに、京都から広がったのれん分けの一群。独立のハードルが低く、また店舗ごとにメニューや価格の裁量も自由というユルい繋がりでもって、昭和の高度経済成長期に店舗数を大爆発させたんだそうな。
お店ではいわゆる麺類丼物一式の他、中華そばやおはぎなども扱うのが基本形です。
関東で近いのは町蕎麦屋の機能なんだけど、蕎麦屋がやがて蕎麦だけの沼に没入していくのに対し、ご当地のうどん屋さんは不思議と麺にこだわらず、おおらかなとこがありますよね。

京都市内に点在している力餅食堂で、比較的観光アクセスが良いのはこちらかな? 清水坂をずっとりてきた先にある加藤商店です。
まぁ渋い! 古き良き食堂、ここに健在也という佇まいです。
古くても、小汚くはないのが、京都らしさかな。煮締まった店内は、やはり清潔に維持されており、しっとり落ち着く空間なのよ。
ご高齢のお父さんによる対応。こうした食堂は高齢化でだいぶ数を減らしているということですが、こちらの厨房には下の代が詰めており、まだまだ楽しませてくれそうです。

あらゆるものが旨い京都でありますが、丼ものも特筆すべきクオリティだと思うのね。
特に魅力的なのか親子丼です。私なぞ、地元では絶対に選ばないメニューであるのですが、ご当地のかしわへのこだわり、たとえ調理中に命尽きたとしても、玉子はカッチカチにしない矜持が尊敬すべき点。
今回はご飯控えめにした分、ややつゆだく濃いめになってしまいましたが、玉子は柔らかく、鶏肉もプリッとして、上々の親子丼でありました。
別途、うどんも頼む用なのか、汁はついてこなかったんだけど、奥の方にちょこっと写ってる香の物も気が利いていますよ。
ほんとは食後にね、あんころをやらかしたかったのよ。でも、あいにくこの時の店頭には若干の餅菓子しか残って無くってさ。すでにリュック中には今日中に食わねばならぬ大福が詰まってたため、諦めたんだわ。
でも、やっぱ食っておけばよかったって後悔しながら記事書いてる!! こういう心残りが次に繋がるよ!
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