昭和3年創業のすき焼専門店。
寺町京極商店街で独特な存在感を放つお店よね。
大箱だし、予約無しでもすんなり入れるかと思ってやってきたんだけどな。
その見立ては、すき焼き同様に甘かったのです。
夕飯にはまだ早い頃合いだったのだけれど、しっかりと行列しておりましたね。
こちらは昭和な観光ホテルを思わせる年季の入った建物で、昔ながらの下足番の爺さんがお出迎え。
店内の様子を見てると、キャパというよりは、盛り付けや配膳の人手が足りてない印象でしたね。
案内されて階段を上がって行くと、突如、甘辛香ばしき匂いが襲いきて、たちまちお腹が鳴りまくってしまう日本人反射です!
くたびれた座敷が連なるそこらじゅうで、すき焼きがジュウジュウいっておりますからね。もう、ステラおばさんどころではない匂いの暴力が振るわれる凄惨な現場でありますよ。
表には宴会やコンパという看板も出ておりましたが、ざっと見渡す限り、今日ではむしろ観光で京都を訪れるアジアなご家族らに大人気となっている様子です。
そうか、Sukiyakiだもんね! なるほど、観光需要のど真ん中にブッ刺さるお店なのかもしれません。
昭和なご馳走の代名詞たる、すき焼き。
しかし、自ら求めて外食することはめったにありませんよね。
そもそもが肉に砂糖をぶっかける古の贅沢料理だしな!
京都では他に「三嶋亭」「モリタ屋」などの高級店もありますが、きょうびの感覚では、いたずらに頭を高めてもウケないんじゃないかなと思うのです。もったいないもん。
その点、こちらのお店はお手頃価格で、すき焼きの背徳的な醍醐味をガッチリ味わえますよ。
きっと、うな丼くらいの価格でもって下世話に食らう、このくらいのすき焼きが最適解なのかもしれんわ。
なんともわかりやすい旨さ! 正義の鉄拳のごとき、このお味!
京都食の対外イメージとは裏腹な、白飯が進みまくりの濃ゆい味に仕上がる寸法です。
なお、各テーブルに英語対応のSukiyaki Recipeが置かれておりますので、お隣でも異国のお客さんらが意外と手際よく調理しながら、楽しげに鍋をつついている光景でした。
そういうのも良いとこだね。
すかさずお肉を追加。
しっかり刺しの入ったお肉も、十分すぎるというか、サービスし過ぎなくらいの満足度です。
ちなみに鍋を薄める用にポットにお湯が入ってますけれど、後半はそれでは間に合わんくらいに煮詰まってきますので、ついでに玉子も、もう一つ頼んでおいたほうが方がいいでしょう。
女将いわく、最後はおじやがおすすめって書いてあったのだけど、さすがにめちゃしょっぱくなりそうなので諦めました。
こちらもご当地の文化や歴史を背負ったお店の一つといえるでしょうね。
旅先でのレトロなすき焼きもなかなか乙なものでした。
コメント一覧
ここは一人では入りにくい店ですか?
>揚子江さん
敷居は高くないお店ですが、一人前の鍋が作れるか否かですね。要確認です。