皆さんご存知、出町商店街にある大人気の餅菓子店。
コロナ厳戒体制にあってなお、この行列かよ!
疫病の蔓延により主要な観光スポットは軒並み壊滅状態となった京の都でありますが、その一方で、市井の胃袋をガッツリと掴んでいるお店は根強い。ある部分で、ホンモノとニセモノ、虚栄と等身大の選別を見せられているような気もします。
ふたばの豆餅、そりゃ旨いですよ。
地元と思しきお客さん方がバカバカと買っていきます。でも、毎度こんなに行列するのはしんどいなと思う私やあなたのために、今回の旅では、代替となりうる暖簾分け店のいくつかを巡ってみたのです。
各店の大福をかじり、うろ覚えで近い遠いみたいな感想をやっつけているうち、もう正解がわからねぇ! ふたばの味が思い出せねぇ!となって、結局、避けるつもりの「出町ふたば」にも買いに来てしまう経緯。
こちらの豆餅はもっちり柔らかで厚みのある餅の食感と、たっぷりな食べごたえが魅力です。
赤えんどうのほっこりな風味の他に、餡の小豆の風味もちゃんと感じられるのが、他店との違いかな。餡は一般的なものよか控えめに感じる甘さゆえ、思わず2つ目に手が伸びるのだけど、バランス的には決して不足を感じさせない存在感があります。やっぱ旨いです
続けて、水尾のゆずを使った冬至の大福もいただきますね。
こちらは豆がない分、お餅の食感をダイレクトに楽しめます。柚子の爽やかな香り、つぶあんを使って、豆好きもがっかりさせません。やはり豆餅の看板が大きすぎるわけですが、決して、それだけではなく、他の季節のお菓子もそれぞれに立派なものだと思います。観光の身では隅々にたどり着けないんだけどね。
今回、いろいろ食べ比べてわかったのは「出町ふたば」の人気はダントツで、それはそれで裏付けがあるのだけど、お味もダントツかというと、客数に比例するほどのクオリティ差は無いってこと。
恐ろしいことに、京都の餅菓子は、だいたい旨いからな!
あいつら餅を食いすぎなんだよ!
お雑煮用の小餅のパックと黒豆の濡れ甘納豆も買ってきました。
この他、エビ餅とかの塊も売ってたんだけど、手頃値ではないし、日持ちもしないので、お土産には難しいかもです。
改めて考えてみると、あれもこれも旨そうだなぁとお菓子を品定めしたり、栗餅が売り切れてしまうんじゃねぇかとハラハラしながら気分を高めていく行列も、悪いことばかりでなく、特別の体験として、大福の隠し味になっているのかもしれないな。
とにかく活気のある店頭は魅力的。山程のお客さんをさばいていく戦場へ次々と運び込まれる豆餅のケースもね、すげぇよな。いったい一日にいくつ売れるんでしょうね?
お店もフル回転なんだろうと想像します。奥の厨房には若い職人さんの姿も多く見られますけど、彼らはやがてどこぞへ巣立っていくのかしら。今回巡ったのは数世代前に別れたお店ばかりだったけど、近年において、独立や暖簾分けって、どうなっているのかな?
ぜひ、横浜にも一軒分けてほしいのですけれど。
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