京都の一人旅も久方ぶり。
この間に宿題となる未訪店のブックマークは四桁に達し、もはや残された人生で彼の地の上澄みすら味わうことは不可能なのだということを悟りました。
今はスマホとグーグルマップ様のおかげでだいぶ楽になりましたが、思い返せば、かつては山程の雑誌や本でリサーチしたお店を、ポケットマップにいちいちマークして、旅のお供としていたんだよな。もちろん、実際に立ち寄れるのはその一部だけなんだけど、そういう準備時間もまた、旅の楽しみでありました。
そんな、まっかっかなマップの中に聞き知らぬお店の印が目に止まりました。もはや、脳内アプリのメンテナンスもだいぶ怪しくなっているので、ここをどういう経緯で保存したのか、全く思い出せなかったのですが、それがむしろミステリーな誘いとなりました。
場所は、吉田山の反対側の神楽岡通り。近くにはジュリーの実家くらいしか無い、住宅地にひっそり佇むお菓子屋さんです。
いかにも老舗和菓子店然とした屋号を掲げておりますが、中に入ると意外や。
半分は気さく味のあるケーキ屋さんになっていたんだよね。その上、入口には生活感漂う陶器類まで売られていて、らしからぬカオスな町場の雰囲気でした。
なるほど、これだったか!!
大好きな京の縁のごとく、干菓子や半生菓子をとりどりに詰合わせてくれるお店って、どっかにないかなと探した結果だったんだな。
菓子博の名誉総裁賞も受賞する千種の季彩。お店元々の和菓子部門については、この詰合せが主力商品になっているようです。ちなみにこれは一番小さな箱なんですが、さらに簡易な袋詰の商品もありました。
落雁等の打ち菓子、ゼリー、求肥の餡餅、すはま、松露等、楽しい内容。
個々の細工は大ぶりで、若干のあらっぽさも漂うかな。どっちかつーと、京よりも江戸っぽい風情を感じますね。
あんまり露出しないお店だけど、こういう商品との出会いがまだまだあるんだな。やはり京都は奥深いわ。
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