横浜の弁当界を統べる絶対覇王「崎陽軒」
元々は昔の横浜駅の駅長が退職後に始めた商売なんだよね。その際に諸々の勝手が分からんということで、手厚く経営の支援をしたのが、大坂の「水了軒」だったのです。
いわば、師匠筋に当たる大恩ある存在で、私ら的には下に置けないのよ。
「水了軒」の看板といえば、なにわ名物八角弁当。
ぶっちゃけ、地味よ!
これといって、目玉になるようなおかずが見えねぇしさ! ちびっこが喜ばないこと文楽のごとしな。
それならばと、折を八角にして末広がりを気取ってもさ、この隙間が良し悪しで、空の美学というよりはスカスカな心もとなさにも写ってしまうのです。
しかし、食べてみると、どれも上品なお味でおいしいの。
蓋に ”大坂割烹弁当” とありますけれど、まさにそれやな。
東の「弁松」の対極にあるような存在かと。上等な仕出しのお味で、本来なら駅弁のカテゴリーに並べるものではないのかもしれません。ここに華が加わると、京都あたりの料亭弁当になるわけですが、お味だけなら負けてまへんわ。
普段なら、ただただ義務感で処理するような炊合せが、ここでは思わぬごちそうでさ。お出汁がじゅんわり染みた椎茸等がサイコーなのですよ。もっとも昆布に喜ぶ層はだいぶニッチになってきているのではないかとの危惧もありますし、この良さを守るのはしんどい商売なのではないかな。
阪神の売り場にはこれと御堂筋弁当の2種類しかならんでなかったのだけど、ほんとは天ぷらチラシのような尖った弁当も食べてみたいんだよなぁ。
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