秩父往還にあるお肉屋食堂。
こちらも散策中にたまたま通りがかったのです。
何のお店かなと通りを渡っ近づいてみたところ、どうやらお肉屋さんみたいなんだよね。
もっとも、店頭には全く人っ気がないし、冷蔵ケースには何一つならんでなくて、豚の味噌漬けの看板が出ているだけ。
さらによく見てみると、脇にお食事処の入口があり、暖簾がかかってるじゃないか!
うーむ、多分に渋すぎる条件ではありますが、旅先でいっちょ冒険してみようと決意しました。
恐る恐る入った店内はとにかく侘びた雰囲気よ。
肉を焼く煙でまんべんなく燻されたような、相当に使い込んだお店です。でも、きちんと維持されており、汚い感じはありません。
細長いカウンター席の奥には座敷も見え、かつてはすき焼きやしゃぶしゃぶつつく宴会なんかも開かれたんだろうなという体裁です。
かつては定食もとんかつや焼肉等々あったようですが、今はじいさんばあさんが肉屋の傍らにのんびりやっているらしく、提供できるのは豚味噌定食のみとのことでした。
この夜、予想外の来客に、急遽、奥から急遽炊飯器と味噌汁の鍋を運びいれ、厨房の家庭用コンロで肉を炙る風景です。
こちらの豚味噌は、だいぶ薄切りなんだな。肉の厚みは大衆生姜焼きくらいですか。
その分 赤っぽいほんのり酸味のある漬味噌の支配力が増し、欠片でもメシが食える仕様になっていました。
ご飯は予め半分て申告しておいたのに、お母さんが私の体型を一瞥して、小どんぶりいっぱいによそってくれちゃってさ。そっからかなり減らしてもらったんだけど、失敗したかも。ふっくらして、おいしかったのよ。
小鉢は山菜水煮。ほんだし系の味噌汁には豆腐が入ってました。
そして手切りのキャベツに添えられるバナナよ!
切り口もしっかり飾り切りになってるし、そういう、いらんとこをがんばりなさんな!
やがて消えゆく小さな灯火を見るような経験でありました。
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