沼津は静岡県下4番目の人口を抱える東部の中核都市であります。
駿河湾をのぞむ港街として、古くから水産業で知られた地。大手電機械工場も多く設置され、農業においてもみかんや茶葉といった名産を持つ、まさに小学校の社会科の教科書に載りそうなバランスの取れた街なのであります。
地形的にも富士山との間に愛鷹山がドッシリ構え、千本松原をひかえた砂浜から伊豆半島の付け根となるギザギザまでの長~い海岸線。
さらに中心部を流れる狩野川流域のスローな風景や、今は埋め立てられたあんまり残ってないらしいけれど、地名の由来となった沼地の点在など、様々な表情を持つ面白い土地だと思いますよ。
一年を通し気候も温暖で、暮らしやすそうな街なんだよね。
かつては皇室も御用邸を構えていたように、”海のある軽井沢”として、政財界の方々の別荘地になっていた歴史もあるんだそうな。
何より、いつでもどこでも、振り返ると、富士山がドーンと見守ってくれている点が良いよなぁ!
これは日本人のメンテリティ的にものすごく頼もしくて、自堕落な私も、しっかり生きていかねばなと拳を握りしめたのです。シュークリームを頬張りながら。
さてさて、前置きが長くなりましたが、皆さんは沼津の食というと何を思い浮かべるでしょうか?
伊豆観光の玄関口でもありますので、その行き帰りに沼津港へ立ち寄って、海鮮丼を食ったり、干物をお土産にするようなイメージではないでしょうか?
たしかに青魚等、駿河湾の海の幸は間違いの無い魅力の1つです。近年では海溝からあがってくる深海魚のお料理も注目されており、港の観光街でお食事をするだけでも、十分に楽しめるでしょう。
でも、それだけじゃあないんです!
変な街なんですよ! 沼津って!
こんな東に、なぜかあんかけスパ文化が根付いてしまっている点。
焼いた後に何故か茹でるという、謎の餃子文化も。
骨太な洋食店があり、実は生魚よか揚げものの方が好きなんじゃねーかという疑惑。
枯れきったレトロ店が、ギリギリで残っていたり。
逆に、都会でも決して見劣りしないような小洒落カフェが点在していたり。
甘味好きの多い街なんじゃないかとも思うのですよ。
基本地味。でも、和洋両刀を振るう昭和店をはじめ、個人の菓子屋が過剰にあるし、シュー皮をこよなく愛したり、やたらと巻きたがる独特なスイーツのモードも感じます。
観光キャッチーな海鮮や干物の影に隠れ、あまり露出してこなかったわけですが、実は自家消費されている部分の沼津食はとても面白くて、探索しがいがあるのです!
おそらく、私のサイトを楽しみにしてくださっているような読者の方々ならば、食べに行きてぇと思うような要素がてんこ盛りですよ。
横浜からも近いし、熱海のついでとか、三島と抱合せのちょっとした小旅行にも便利な街。
ただ、お店は日が落ちた時点であらかた閉まってしまうし、沼津単体では、食ってる以外に何をするのかという観光部分が埋まらない欠点もあります。
駅を中心に大発展したかつての繁華街も、もはや風前の灯というか、すでに灰になって、風に飛ばされる寸前みたいな状況を見るに、これら魅惑の沼津ローカル食名店が、数年後はどうなってるいるのか分からんことを覚えておいてください。高齢化やコロナの影響もデスいしね。
あらためて、今のうちに味わっておかねばならんなと、強く感じたのでありました。
なお、各店の詳細レポはこれから書いて、ゆっくり公開していきますので、お楽しみに~
コメント一覧
Aqours、サンシャイン!
沼津に訪れる理由の何割かは、聖地巡礼でしょうか?
>エビオスさん
まさに。
中間あたりに、ちょこっと記事をあげます。
ただ、天秤にかけると食の方だな!
沼津港では沼津バーガーで深海魚バーガーを食べました。フィ●オフィッシュや他店のフィッシュバーガーと比べてあっさりとした味で美味しかったですね(ただ値段が…)。
あと餃子。中央亭は本当に餃子一本槍のメニュー。北口亭も含めてどちらもいつも並んでいる印象ですね(なお、小生は聖地巡礼ではありません。静岡に行く途中で途中下車で寄ることが多いです)。
>黒船帝王さん
個人的には腑に落ちなさ過ぎるのですけど、お客さんはあの謎餃子をすごい熱量で求めてますよね。
港は新しい試みが途切れないところにまだまだの価値を感じますよ。