ご当地において、うどん文化がこれほど浸透しているのはなぜなのか?
そもそも稲作が困難な土地ゆえ、代わりに麦を栽培していたのだとか。かつて富士講の人々が、汁の濁らぬ湯盛りうどんを食べて、登山前の力をつけ身を清めたのだとか。忙しく働く機織り女性のための簡易な昼ご飯として、主に男性が打ったから硬いんだとか。色々なことが書いてありました。
こちらは寂れきった本町通りの商店街からちょっと脇に入ったとこにあるうどん店。
やはり、ローカル味が強いというか、入店前には様々な情報を再確認して、いったん気持ちを作ってから暖簾をくぐる必要がある構えよね。
店内もこってり使い込んだというか、日々の生活の堆積が、もはや民俗学的エンタメの域に達しているような異空間です。席は小上がりのみで、くたびれた炬燵とかも出たままで、うーん、激渋だな。
メニューは温か冷かの2種類のみ。
あとからヨボヨボ入ってきた爺さんは黙って腰掛けて、お店の方も無言で気遣いつつ、しばし後にすっと丼が出てくる様よ。しかもキャベツを別皿で添えるカスタム仕様で! もはや茶道の光景じゃんか!!
色々食べたけど、この店ではじめて出汁のほんわかなおいしさを感じたわ。
硬さはほどほどで、たっぷり感のある太うどん。
具はじゅんわり煮汁を吸ったお揚げと細いキャベツのみ。
やはりシンプルの良さよな。吉田うどんは本来こうあるべきなんだろうという一杯です。
真っ赤なすりだねは意外に攻撃的で辛ぇわ!
もし、うちの記事を読んで吉田うどんを食べ歩こうと思い立つ方がいらっしゃったら、初手はこのお店からを強くオススメしますし、1店だけを選ぶなら、やはりこちらでしょう。
じんわりと染みてくるおいしさで、地域に刻まれた文化のお味がします。
つか、浮かれて食べまわるもんではないのかもなぁ。
コメント一覧
素朴な疑問ですが、何日居ました?こんなに饂飩って食えるんですか???
>つちころりさん
2泊しましたが、お腹にたまるので大変でしたよ。
いつか讃岐うどん旅もしてみたいのですが、身体がついていかんかも。