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大口の「宝明楼」でイフメン

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ななしま通りにある中華屋さん。

大口って、わりと中華な街なのかもね。

大中華街を要する横浜は、よそに比べると中華料理文化が根付いている土地と言えるのではないでしょうか。まぁ、特異と言えるほどの目立った差があるわけではありませんけど、なんてことない町場のお店に意外な歴史が積み重ねられていたり、出てくるお料理がほんのり上質だったりしますよね。

夜の蝶たちが暮らす伊勢佐木町や中華街関連の住民も多い本牧等が隠れ中華エリアとして語られることも多いですね。それに加えて、労働者の集う京浜エリア、鶴見、そしてここ大口なども地味に侮れない中華のお店を見かけますよ。

こちらのお店も普通なら素通りしてしまいそうな、ごくごくフツーな町中華の構え。といっても、だんだん少なくなってきている風情でありますね。店内もコテコテで、赤いプラスチックのプレートに筆文字で書かれたメニューが、なんとも昭和っぽいのであります。

ただ、麺類やチャーハン、丼、定番料理というメニューの中に、ひっそりとバンメンが隠れている点、こちらのお店も横浜レトロをきちんと受け継いだ存在なのだということが分かります。

なお、厨房に立つの壮年のお父さんだったから、このテイストはまだまだ楽しめますよ!

バンメン・・・は暑いので、イフメンにしました。

いわゆるイーフーメンでありますが、これもまたなかなかお目にかからない古式メニューですね。

伊府麺とはなにかというと、水を使わず玉子で打った麺を揚げたもので、即席麺の原型になったとも言われています。かつての「徳記」では汁そばにもなっていましたが、平打ちの伊府麺を汁っけのある焼きそばにしたものもよく見かけます。

基本的には茹でて戻してから調理をするようなのですが、こちらのそれは揚げ麺に直接、スープと餡をぶっかけたものかな。つか、この麺は、伊府麺つーか、かた焼きそばの揚げ麺ではないかと思うし、「玉泉亭」のそれっぽいかもね。

そんなわけで、食べ始めの麺はまだボルボルしたままで、終盤になってやっとふやけてくる流れです。その頃にはすっかり短く砕けてしまうため、麺を食っている感じはありませんね。ぶっちゃけ、イマイチっちゃイマイチ。これならば、素直にかた焼きそばを食えばいいじゃないって思うのです。バンメン共々消えゆくのも分かります。

でもね、すげー面白いと思う。

今日の皿うどんの発祥がアメリカに有るという説を非常に興味深く読んでいたわけですが、この一品も本来の伊府麺からかた焼きそばへ至る進化過程を見ているような気がしませんか? 出前中にふやけるだろ的な部分が日本ぽいしね。

彩色も昭和ゴージャスでたまらんし、オールド世代に刺さりそうな一品ですよ。

今度はラーメンとかチャーハンとか、もっとシンプルなもんを食いに寄ってみよ。

コメント一覧

  1. ぴーさん より:

    わりと近所のはずですが、知りませんでした。

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