【休業】横浜中華街の「海員閣」でやわらかいやきそば

香港路にある広東料理店。

目下、中華街はコロナの風評被害で大変なことになっております。そんな中、こちらのお店には心無いヘイトレターまで舞い込んで、踏んだり蹴ったりですね。

感染を恐れ、中国人を避けたい気持ちはまだ分からなくはないの。華僑にも色んな人がいるしね。でもさ、中華街全体で見ると、横浜市民としての歴史の長さ、観光や飲食における貢献など、ハンパなきは明らかでしょ。国へ帰れなんて言葉がどのクチから出てくるのか大いに疑問に思うわけです。

私なんかは、中華街がガラガラだと聞いて、まっさきにここへやってきましたよ！　

予想に反して、全然満席でしたわ。実際のとこ、どのお店もおしなべて壊滅的なのかというと、そうでもないようで、観光店や団体需要の大型店がヤバい一方、評判や実績の厚い個人店は相変わらずの行列といった光景なのかも。いざという時に地金が見える感じかな。

改めまして、老舗の「海員閣」です。

こちらのお店のオーダーは名物となる豚バラ、牛バラの麺飯や焼売がほとんど。んで、先代の頃から通ってます的な爺になると、気まぐれにかた焼きそばやチャーハンを頼んで、嫌な顔をされる流れでしょうか。

ホントは一通り食べてみたいのよ。 しかし、メニューが絞られ、接客が感じ良くなった現在においても、また比較的空いてるタイミングに注文しても、定番外の品については「４０分はかかります」としっかり釘を差されてしまうため、依然ハードルは高いのです。

中でも私が気になっていたのは軟炒麺。いわゆる、やわらかい焼きそばです。ネットでもあんまり流れてこないからな。どんなもんかなぁと、食べてみたいなぁとずっと思っておりました。

厨房の手が回らない事情も分からなくはない。でも、ごめんなさいね。今回はわがままを聞いて！

この銀皿がなんとも渋いんだよな！　

チャーメンについては、個人的に横浜らしい中華食だなと考えております。近年は町中華の減少も相まって、これぞというやきそばが減ってきているように感じますよ。そもそもお店のメニューに載らなくなったしね。

こちらの品は、やはり期待通りに、上手いこと調理されています。白菜の芯やもやしがシャキリ、海老はプリッ。汁そば用の細麺を使っているので、しっとりとした仕上がりです。お店の腕が出てくる品だと思います。

一方で、ハマのチャーメンマン達の話題に上らない理由もよく分かりました。

おいしいけど、真面目すぎるのね。このボリュームを食べ切るには、もう一味欲しくて酢をかけてしまう。改めて、猛烈にあと引くチャーメンの背骨は、化学調味料なんだなと思いました。

デザートはアイスクリームブリュレです。

熱々の麺飯を食べた後、アイスできゅっと冷やす締めは良いものですね。

以前ちょろっといただいた際、とても美味しかったのが忘れられず、オーダしてみました。

スペインのカタラナを参考に、エッグタルト味をイメージして作った品とのこと。こういうとこもしっかりしてるんだな。

特にカラメル部分の香ばしさが良い感じ。クリーム状に溶けた部分は、乳脂肪を感じ、１個まるまる食べてみると、やや重たさを感じますか。また、前はもっとお酒のような風味を感じた気もするのですが、今回はそうでもなく、ラムなり紹興酒なりで、もうちょいキレを加えると良いなと感じました。