東急のインバウンドビルに入るモダンギリシア料理のお店。
若い頃は観劇のために繁く通っていた有楽町でありますが、もうね、めんどくせーんだわ。
まずチケットの争奪戦が煩わしいし、コロナで引き籠もっているうちに東京どころか、自宅の5km圏内から出るのも億劫になってきた今日このごろなのです。
それでも岡田先生の「ダンディズム」だけは観るべく、超久方ぶりの東京宝塚へやってきましたよ。例によって、開演までゆったり飯を食う余裕があるわけでもなく、お昼は近場で済ますことにしたんだわ。
やってきたのは東急が再開発したこちらの商業施設。阪急だった時代とはだいぶ異なる都会のオラついた雰囲気で、もちろん私ら土人の肌には合わんのですよ。
ただ、コロナでアジアの金持ち観光客が減って、さぞスカスカなんだろうなという見込みとは裏腹に、レストラン街のいくつかのお店は開店待ちや行列ができる盛況でビックリしたわ。
シドニーで人気というこちらのお店も、立派な大箱なのに、平日昼の予約がなかなか取れないくらいに賑わっておりました。
開放的でモダンな内装にオープンキッチン。肩肘張らない雰囲気でありますよ。最上階からの眺望がウリの一つということですが、面によってはカーテンが引かれており、必ずしも期待はできません。なにせ日当たりが良すぎる分、冬でも暑いくらいだったし。
忙しすぎるのか、スタッフは開店間もない時点ですでに疲れたような表情ですな。対応も概ねバッサリ。ただ我々の卓のギリシア人ぽいお母さんは気さく、にこやかに接してくれましたので、人によりけりかもね。
カクテルは右手のペアセフィーネがオススメとのこと。ウォッカベースに洋梨、エルダーフラワー、パクチーという女子ウケの塊のような1杯でありましたが、なかなかおいしかったです。
お昼は定番で固められたコースをみんなが食ってますね。
塩っ気のあるフェタチーズ板を崩しながら食うグリークサラダ、えんどう豆のディップ、ピタブレッド。
ボリュームはたっぷりですが、お味はわりと酸味が効いて、どれもヘルシーな印象なのよ。
ちなみに大皿盛りをシェアするのがギリシア流ということだけど、文化の尊重というよりは、ぶっちゃけ、合理性よな。
実質的な提供メニューを絞り、相盛したものをどっと持ってきて取皿も代えない式で多くのお客さんをバシバシ捌く体制です。お料理のかさが増えて、皿上の見栄えがする点。SNSお嬢さん達のウケも良さそうだから、ネットで拡散もしやすいんだろううね。
諸々うまく運営されており、なるほど、未だに人気が続いているのも頷けますよ。
メインの豚肩ロースのグリル、マカダミアナッツ、ビーツ。
女子向けだと侮っていると、デルファイの遺跡に転がっている巨石のごとき肉がやってきます。焦げ味漂うお肉は柔らかく、ビーツの酸味とナッツペーストのコクでもって、やはりヘルシーなお味です。
副菜のファソラキアは、ギリシアのお袋の味風いんげんクタクタ煮でした。
デザートは名物のレモンパイ。
砕いたビスケットの上に柔らかなメレンゲを絞り、炙ったもの。底にガッツリしたレモンカスタードが敷かれており、コースの最後をバシッと締めてくれます。
しっかりお腹いっぱいになる一方で、酸味を柱に健康的な食後感。
いかにも意識高い層が好みそうだし、たまの東京観光で味わいには丁度いいかもね。
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