湯豆腐を食う。八つ橋を買う。
そんなベタを極力避けようぜという指針の元に京都の旅を重ねてまいりました。
しかし、この歳になって、ベタベタがやけに心落ち着くようにもなっているのよね。やはり、定番が定番たる理由は確かに存在しており、揺るがぬ価値を内包していることを感じるのです。
すでに大混雑の嵐山観光街。食事やお茶のお店を確保するのも一苦労ですよ。
どうせなら精進を食いたいなと思う時、天龍寺の「篩月」や妙智院の「西山艸堂」あたりが定番となりますが、踏切を超えた先の清凉寺までやってくると、だいぶ落ち着いてお食事ができます。
境内にある「竹仙」は元々お寺の茶店だった建物を利用して営業中。
座敷にテーブル席を詰めた関係で、やや窮屈に感じる環境ではありますが、団体客が完全回復していない今は、観光客が時折迷い込むくらいのぼちぼちでもって、ゆったりと過ごせますね。
ヲバ様らの対応も感じいいし、観光巡りでお昼が遅くなっちゃっても、夕方まで対応してくれるから助かります。
ゆどうふのおきまりは、こういうのでいいんだわ的お膳。
ノンアルコールの梅酒からはじまり、揚げ麩等の八寸、自慢のごま豆腐、炊合せ、古代米の茶飯。
餅の湯葉包揚げのお椀は餡仕立てでじんわり温まるし、こんにゃくが入る精進天ぷらもちゃんと揚げたてで出してくれますよ。
生湯葉の刺し身は有無を選択できるのだけど、汲み上げじゃない昔風のシコシコ食なので、これは抜いてもいいかもな。
お豆腐はもちろん、近所の老舗「森嘉」のものを使用しております。
通りがかりに覗いたら、やはり大人気で、店頭には行列ができておりましたね。しかも、観光客よか、地元民が車でごっそり買って帰る姿が目につきます。
絹豆腐はとろフワな柔らかさだな。
豆腐の味の違いを明確に感じられるほど、私の舌は繊細ではないのですが、ほんのりお豆の風味と甘味があって、おいしいお豆腐であることは間違いないと思います。
食後の小さな豆乳プリンを見てくださいよ。
なんと、クリスマスツリーとサンタ帽になっているのです!
こういうとこよ! ほんのちょっとした工夫でもって、時節の景色がなりたっているもんな。
決まりきった内容を繰り返すだけでなく、遊び心を忘れないおもてなしが嬉しいわ。
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