四条通に佇む麺食堂。
京都経済の中心地たる四条烏丸に、先ごろ華々しくオープンした京都経済センター。
そのすぐ向こう岸で、近代化の波をかき分けて立つ老食堂が「萬福」であります。
まぁ、よく残っているよな。
外観だけでなく、やや雑然とした店内もまた、太秦のセットのようなしっぶい風情のお店なんですよ。てっきり、枯れきった爺さん婆さんでやってるのかと思ったら、ジュリ-のなりそこないみたいなオッサンが出てきたので、ちょっと意外だったわ。
京都圏の食堂の定型にのっとり、各種うどんや丼ものを柱に、中華そばも扱うスタイルのお店。平時は夜も遅く、リーマン達が名残の一杯と共に締めにやっつけるような類の使われ方なんだってさ。
ラーメンといえば、ご当地京都は激戦区としても知られていますよね。黒いのやら、黄色いのやら、背脂浮いたのやら、もはや京都ラーメンとひとくくりにできないほど、いろんな地麺が根付いております。
でも、ラヲタどものツッコミにビビりつつ、あえて言ってみるけど、本当にご当地らしいラーメンて、こういう食堂のものなんじゃないかなと思うのよ。
どうですかね、この一杯。
いや、これがちゃんとしたラーメンなのよ。
なんだか中年の心のひだにじんわり染みてくるようなお味。もちろん、専門店のそれと比べると、若干ユルめで控えめなのだけど、日常の傍らに置いておきたいのは、むしろこういうもんだよなとひとり点頭しながらながら、ズルズルすすりました。
我々が専門店以外で触れる日常ラーメンというと、地元横浜では中華料理のそれになってしまうのだけど、こういう中華そば然としたものが、市井の食堂にしっかり根付いてるとこが、面白いのです。
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