栄町市場にある枯淡食堂。
パンチあるカラーリングに反して、
店内はいつ覗いても爺さんか婆さんが、もっそり汁をすすっているような光景よ。
決して活気のあるお店ではないんだけど、
逆にリアルな地元のお店っぽくて、興味があったのよ。
カウンター主体の狭いお店は、
婆さん二人で切り盛りしてるみたい。
薄暗い店内には静かな空気が流れていたよ。
メニューはかなり絞られているの。
中でも看板になっているのは田芋の茎を調理したむじ汁。
戦後の食糧難の時代によく食べられていた懐かしの一品なんだとか。
材料が出回らなくなってしまったので、
今では食堂のメニューに載ることも少なくなったらしいよ。
つーか、こっちで言うところのズイキみたいなもんだよね?
むじ汁専門店で、あえて牛汁を頼む私・・・
そりゃ、餓狼たる男子が芋づるなんか食ってられねぇもんよ!
ただ、この牛汁も那覇の食堂ではあまり見かけないメニュー。
ここでは今帰仁産の牛を使っているらしく、メニューでも最高級だったぜ。
沖縄は豚食の島らしく、内臓、いわゆる”中身”って奴は、
掃除して加熱処理されたものが、肉屋で普通に売られてるんだけど、牛はレアなんだよね。
主に八重山あたりの食文化なんだそうだ。
肉汁にも関わらず、スープはとても上品な塩味。
ブツ切りの牛肉と各種胃袋、冬瓜とにんじんと、
青菜はなんだろ?辛し菜か苦菜かそんなやつ。
若干モツの野性味が出ているんだけど、
臭みというよりは風味として楽しめる綺麗な仕上がり。
やはり客筋に合わせてあるのか、
汁も豆ご飯も他の食堂と比べるとだいぶおとなしい盛りかな。
セロリ、大根、人参の小皿もそれぞれ地味に旨かったよ。
いや~、渋かったわ。
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