番場通りからちょっと脇に入ったとこにある激渋食堂。
この昭和初期の看板建築が登録有形文化財にもなっているようですよ。
しっぶぅぅ!
実際目にしてみると、むしろ、ここだけ映画のセットかなんじゃねーかと思っちゃうくらいの非現実感が漂いますね。
建物の傷み具合も味ありすぎですが、なんといっても正面縦書きたる「パリー」の黄金文字がカッコよすぎますよ。このまま1/100スケールでフィギュアにしたいくらいだわ。
ご覧のように決して入りやすい構えでもないですし、好事家がチラホラ立ち寄る程度のユルい営業を想像していたのです。いやいやどっこい、この日のお昼はまさかの満卓で、しっかり観光店になっておる様子に驚きました。都会の奴らに何が評価されるか分からん時代ですな。
店内もやはり渋々で、昔の映画の中で見るような、その時点ですでに古い大衆店として描かれているような食堂風景なのです。
もはや余命幾ばくもない営業かと思いきや、意外続きで若い親族がお店を手伝っているご様子。もしかしたら、この先も歴史がつながるのかもしれませんね。
メニューは和洋中を扱う体裁です。品数は多くありませんが、クリームソーダをつけたバエなランチセットなども設置され、このへんはやはり次世代の工夫かもしれませんね。
オムライスは小ぶりなサイズで、ごくごくシンプルかつ大衆的な仕上がりです。
一個きりの卵をよく混ぜずにやっつける老いた感じ。
そして、ポテトサラダや野菜だけでなく、ぶつ切りフルーツまで盛ってしまう田舎っぽさが、今の時代にはかえってキャッチーなんだよな。
もっとも、ノスタルジーを掻き立てるといわれても、若い客は自分が体験したことの無い代物だし、マヂでバエの正解が読めない時代になっていると思います。
かくいう私もこの付け合せに惹かれてオムを注文したわけなのですが、そうすると秩父にまで来て缶詰パインを食べたかったということになり、複雑な思いでもありますな。
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