狩野川の河口、我入道にあるお菓子屋さん。
ネットが無かったら出会えなかったお店でしょうね。
沼津港から1kmくらいなので、まぁ歩けなくはない距離です。でも、お土産買いに観光客が訪れるお店というよりは、沼津の方々が自家消費する用のお菓子屋さんなんだと思います。
やはり昭和な和洋両刀の名残りあるお店で、今でも店頭には若干の和菓子が見えますけれど、得意なのは洋風の焼菓子類。
落花生風味のマコロンはいかにもなザックリ焼き。レーズンがアクセントになっていますよ。
この他、しそパンや黒パン、げんこつ玉などの素朴な自家製駄菓子がお手頃価格です。
そして、代表銘菓となるのが、このケセット!
店内の冷蔵ケースの中にはこいつがズラリ列んで、お客さん達を待っておりますよ。
これってば、不思議なお菓子でさ、私はこのお店で初めて出会ったのですよ。
名前を検索しても他に見当たらないし、オリジナル品かと思っていたら、例えば、同じ静岡島田「清水屋」のパコロだったり、福岡筑後「船小屋」のパケットだったり、共通しないネーミングでもって、他店でも展開されていることが分かりました。
やはり、西欧に原型となる菓子があり、日本国内にも何らかの伝播経路があったんだと思われます。が、詳細は依然として不明なのです。
こういうお菓子に不意打ちされるのが、沼津深海スイーツ界の面白いところ。
しっかり焼きのバターケーキに、ラズベリージャムを塗り、焼き立てのまだ柔らかい薄焼きクッキー生地でくるんだもの。
個人的にはロールケーキをシュー皮で巻く必要があるのかは未だ腑に落ちないところでありますが、こっちの巻きは殊勲賞ものです。
まず、バターリッチなクッキー皮の甘香ばしさよ。そのザックリとした食感が、日を置くにつれ、しっとりネッチリ馴染んでくる変化も楽しいし、レトロ味が漂う、おいしいお菓子なのですよ。
シューロールに比べ、持ち運びや日持ちの観点からも、お土産適性が高く、目下、私的沼津土産のナンバーワンに輝いているのが、このケセット。
沼津港にお寄りの際は、ぜひ「花月」まで足を伸ばして、ケセットを買って帰ってくださいね!!
コメント一覧
沼津在住者も、四人に三人まで知らないと言う、お店。(スイーツ大好きでない人にも聞いてますが。)
お店に行ったら、ケセットが大量に作られていました。
どこに行ってるんでしょうね?
久しぶりにケセットが食べたくなっちゃいました。
>Caさん
え?! 沼津スタンダードじゃなかったの??
冨久家は別格としても、手土産の二番手はこれでしょう!
ほとんど同じ体裁のお菓子が、故郷の清水では「あぱれいゆ」という名で売られてます。
中のケーキはちょっとアーモンド風味で、しっかりと塗られたラズベリージャムが重甘く、でも癖になるお味。
カット済の個包装もあるけど、ホールを切って、クッキーが重なったところを食べるのが醍醐味♪
同じく斜陽の街だけど、清水もなかなか味わい深い街です。機会があったら是非訪ねてくださいませ。
>伊勢佐木にゃんこさん
富士宮でもアパレイユとして売っていましたね。
島田市ではパコロ、九州ではパケットとして売られているのも確認しております。
ルーツも語源も見えない謎深きお菓子です。