中山路と香港路をむすぶ路地にできた香港屋台料理店。
向かいの「東珍味」の姉妹店とのことですが、界隈がざわついた新店だったので、ちょっと覗いてみました。
お店は元「龍華楼」だった場所。ほぼ居抜きだと思いますが、窓を汚す諸々を潔く取り外したことにより、開放的で気持ちの良い空間になっています。
この日は週末の夜でありましたが、まだできたばっかなので、噂を嗅ぎつけた好事家がチラホラ様子見に来るくらいの閑散でした。
80年台の香港をイメージしたお店なんだって。店頭を電飾と看板で飾って、なかなかいい雰囲気にしましたね! オープン席があるのもそれっぽいです。冬は寒そうだけど!!
なお、今のところ、お料理はペラの表裏に載るくらいしかありません。メニューに関しては、オーダーが組み立てづらいので、麺飯や点心、サイドの小皿等のラインに絞って、もうちょい整理、拡充する必要があると思います。
和牛ソース大根煮込みは安価な箸休めメニュー。
鰹節まで乗っかっちゃってますが、お味は中華というよりは和に近いじんわりな煮物。中華のスパイスはのれんの奥にチラリ見える程度の塩梅です。
別途お肉が入った大根煮込みもありましたが、その副産物ということなのでしょうか?絞られたメニューの中になんでこれが入ってくるのかはちょっとわからない品です。おいしいけど。
香港風エビ入り蒸しライスペーパーはB級グッドルッキングな腸粉。
タレを拭りつけているうちにわかんなくなっちゃったけど、醤油ダレの他、チリソースなど3種のソースで飾ってありますね。
欲を言えば、もっと長く蒸して、水分をまとわせてほしい。チュルンとしてほしいところですが、面白げなお店であることは匂わせます。
豚バラの焼肉です。これはメニューに無いのですが、ドタバタ給仕をしていた店主に薦められたもの。
実に良いですね!皮目カリカリで、お肉の旨味もじゅんわり!この他、汁そばに乗せている焼鴨も別途注文可能らしいんだけど、焼物系は本来このお店のメインを張るべき存在だったのではないかと思います。
改訂版メニューにはしっかり載せてほしい逸品です。
干しイカスルメと牛肉入り粥。
お粥いいですね。なかなかイケますよ。底には細く割かれたスルメと牛肉のミンチ団子が沈んでいます。
粥や汁そばの丼はやや小ぶりなものなので、サイドの点心などと併せて注文するのも良さそうです。
看板の香港風エビワンタン麺です。
スープは鶏っぽくておいしいです。そして、乾麺なのかな?細くてシコシコした香港麺を使っているのが面白いところ。
メインのワンタンはローズホテル前の某と比べるとやはり落ちますが、中華街全体の水準から見ると、悪くない仕上がりです。
菜の花のオイスタースースがけ。細いので、カイランなのかサイシンなのかは、よくわからんけど、要は季節の青菜炒めということなのでしょう。
ホール係は本店とこっちの行き来で大忙し。しばらく前からカウンター上に放置されている皿を、うちのだったら困るなぁとジリジリしていたのですが、まさに的中とあいなりました。結果、やや冷めて、ダレてしまいました。
現状、某南粤と肩を並べうる存在かというと、下位互換に近いかもしれません。まぁ、向こうが格に見合わないお手頃価格でやっているのが悪いっちゃ悪いのだけど!
ただ、食べ放題ばかりな近年の新店の中では久々に気になる存在となりそうです。
「東珍味」というとアワビ入りの黒米粥や上海焼きそばで、一部にプチブレイクしましたが、どちらかというと観光店の印象でした。しかし、先だっての蘭州牛肉麺店も悪くなかったですし、この新たな挑戦の波には期待できるかもしれません。本店や向かいの「美味一杯」なども含めて、この路地を香港屋台街で演出できれば面白いです。
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