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横浜中華街の「安記」でやきそば、焼売

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香港路にある広東料理店。

中華街でお粥といえばの「安記」です。

横浜市民の関心が、クルーズ船のシウマイ弁当に集中してたあの頃。

早々に見切りをつけて、休業判断をした中華街店主が少なからず存在しました。当時はずいぶんと思い切ったことをするなぁなんてノンキに見ていましたが、振り返ってみると、その経営判断は、未だ右往左往している我々よか、2ヶ月は先行していたということなんだよね。

もちろん、風評被害等があり、横浜中華街の観光は比較的早期から影響を受けていた事情もありますよ。ただ、日本人ならば、べき論や習慣から脱却することは非常に困難。店を閉めるなんてありえねぇ。赤を積み上げてでも、皆で歯を食いしばろうという選択になって、もう、どうにもならないとこまで追い詰められてしまうのです。 

かつて世界に誇ったモラルや社会秩序は、この非常時に頼りなき姿を露呈しており、結局のところ、金目の計算というか、利益を合理的に機敏に判断する力こそが重要なんだなと、改めて、中華の民のサバイバル力に感心する次第なのです。

もっとも、突然、職を失い街から消えた人々はどこでどうやって過ごしているのかっていう見えない部分も含め、中華街の今に未来の街の姿をすかすわけで、非常に恐ろしくもあります。

さて、お粥の名店「安記」です。

「謝甜記」と比べ、観光的にはいまいちパッとしませんが、手堅き選択肢として、むしろ地元民には定評がある老舗です。

ルーツは台湾系で、ご高齢の大女将をはじめ、熟練の家族経営。店内は活気煽るるって感じではないんですけど、いかにも昔ながらの雰囲気があり、中後年の皆様は落ち着く環境でしょう。

周囲がすっかりシャッター街になっても、お店を開けておりましたが、やはり影響は顕著の様子。予約や宴会のキャンセル電話が鳴ってたし、お昼時の店内には私のみ。厨房から出てきたコックのお父さんも含め、皆で悲しげに通りを見つめる姿が切なかったです。

ほんと、早いとこ収束してほしいよな。

さて、安記といえばお粥です。

せいぜい、お粥にモツ皿、焼売くらいで切り上げてしまうため、私は他のメニューについての印象がさっぱりありませんよ。名物メニューのジレンマなんでしょうな。

一応、ランチ提供もあって、ずっと気になってはいたのです。ただ、こちらに入る時は、お粥を食べたい時なので、ついぞその機会が訪れないまま、今日に至った次第。

お客がいない今ならば、イレギュラーも通しやすいなってことで初オーダーです。

店内にはランチの案内がなく、内容は麺類を若干の割引値で提供する形が基本ぽいです。しかし、表の白板に書いてあったこの ”ヤキソバ” は、レギュラーメニューには載っていない並ヤキソバ的な品でした。

これがイイ。

トラディショナルというか、かつて老コックさんが作ってくれたような、失われた文明のお味がするのよ。もやしや青菜の熱々シャキシャキの中に、どこかしっとりとした風情もあって、実に旨いわ。お酢と辛子がめっちゃ合うヤツ!

なんてこと無い風なチャーハンスープも中年お体に心地よく馴染んでくるし、小ぶりで、カチッとした類の焼売も、やけにノスタルジーを刺激する味わいです。

粥を食べない「安記」ってのも、アリだわ!

改めて、メニューを見直すと、今は昔の中華街の姿がそのまま残っているような感じもしますし、こりゃ、改めて夜に来て、お料理を食べてみなきゃならんなって思いましたよ。

その日が早く来ればいいな。

コメント一覧

  1. Dragan より:

    粥を食べない「安記」大賛成です
    子供の頃は家族の宴会といえばここが定番でした
    ネギソバが美味しかった、また食べに行きたいですね

    • 管理人 より:

      >Draganさん
      ネギそばとか、海老やきそばとか。
      宴会もいいでしょうね。蒸し鶏とか巻揚とか牛バラ煮とか、そういうベタなのがおいしいんだろうなぁ。

  2. Ca より:

    焼きそばがあったんですか?
    今度行った時には、白粥とセットにしようかな。
    気軽に行ける日が、早く来てほしいです。

    • 管理人 より:

      >Caさん
      メニューに載ってるのは肉ヤキソバとか海老ヤキソバで、これはランチ限定なのかも。

  3. しー より:

    そういえば私もお粥ばかりで通常のメニューを食べた事がありませんでした
    今度、焼飯でも食べに行こうかなぁ。お粥と春巻きもいいかも
    春巻きがあるのかはわかりませんが(笑

  4. 中華街に行きたい より:

    ほんと中途半端な外出自粛になってしまったわな。
    店側も補償方針が曖昧なまま休業するわけにも行かんかったし、かと言って開け続けるのも正解とは言えない。
    自粛なんて個人任せにしてると開店する飲食店は厳しい視線の一方、商店街やスーパーは毎日人だらけ…どっちが感染リスク高いんだと問いたいねホント

    • 管理人 より:

      >中華街に行きたいさん
      パニックを避けるためとはいえ「買い物は良いんでしょ?」的な免罪符になってしまったのは伝え方の反省点かもしれませんね。

  5. みうけん より:

    自粛は大切ですが、自粛できない業種もありますよね。
    警察、消防、交通、医療、etc。
    そして、彼らを通勤させ、勤務中の食事くらいは確保しなきゃならない。
    飲食店が閉まるなら補償も必要だし、家にいるなら自炊するからスーパーや商店街に人が集まるのは避けられない。実際、食糧品の需要が伸びてスーパーでは品切れの品も多いです。
    その一方で、近所の中華屋さんも店を閉めました。
    難しい問題ですな。

    • 管理人 より:

      >みうけんさん
      自粛という形で線引を曖昧にして、末端に判断を委ねてしまっている点はなぁ。強制力もないし、経済を止めないためにそうせざる得ない事情もわかりますが、やはり日本政府の弱さであると感じます。我々国民はそこまで賢くも成熟もしてないんだからな。

  6. てっつん より:

    就職して以来ずっと横浜。
    会社の先輩から「安さ追求なら仁華(すでに閉店)、安く美味くならまんぷく(ココも閉店)、総合的なら安記・美味しい上に高級で財布に優しいなら一楽」と教わりました。

    • 管理人 より:

      >てっつんさん
      職場クチコミが的確すぎる件!
      まんぷくってお店を見逃していたのが悔しいわ。

  7. Dragan より:

    安記とは全然関係ないけど、仁華は近くの中学のガキどもがこぞってメシを食いに行ってたところですね。化学調味料てんこ盛りの炒飯が懐かしい。

    • 管理人 より:

      >Draganさん
      仁華のお昼は500円くらいで食えたんじゃなかったっけか?
      お味はともかく、安く腹いっぱい食えることで有名でしたね。

  8. てっつん より:

    Draganさんを差し置いて、になっちゃいますが
    80年代半ばに初めて仁華に連れてってもらった時、びっくりでしたよ。
    500円札(ありましたよね~)いち枚でラーメンと炒飯がいっぺんに食えました。
    ラーメンと炒飯、それぞれ250円だったかと。。

  9. てっつん より:

    三十年以上昔の話だから、今のご時世との値段差は当然なんですが、当時でも500円で複数メニュー食えたのは驚きでしたよ。

    • 管理人 より:

      >てっつんさん
      やはり、皆さんの思い出の地図に突き刺さっている存在ですね。

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