今回のオジサン旅の舞台は名古屋です。
ちょうど野暮用があったので、少し泊を延長して食べ歩いてきましたよ!
新横浜からはのぞみで80分程度。
「夕方までにさっさと帰ってこい」と言われちゃうような距離感なんですよね。
私的にも、名古屋それ自体を目的とする旅行は、あんまり経験がありませんでした。
えーー、デブはいかにも名古屋めしが好きそうじゃんと思われるかもしれませんが、実際に食ってみるとビミョーに感じることが多くね?
見た目のインパクトに対し、お味や食感のメリハリが弱いような印象よ。
正直、あんまり気が乗らない目的地なんだよなぁ。
名古屋はいわずと知れた中部最大の都市。
横浜よか人口が少ないのが信じらんないくらい、ああ果てしなき夢を追い続け、大空駆け巡る大都会ですよね。まぁ、ここで働く人々は周辺の自治体に住んでるってことなんだろうな。
やんごとなき草薙剣を祀る熱田神宮の歴史は古く、中世には頼朝、信長、秀吉等の英傑を産んだ土地。江戸時代には尾張徳川家の大城下町として、ときに江戸とバチバチいわせながら発展してきた歴史です。
ご存知のように中京の工業地帯は日本最大の規模。かつては紡績や軍需産業、今日では某トヨタに代表される自動車や電気機器、セラミックなんかを輸出しているイメージかな。
とにかく、経済、景気のすこぶる良さそうな雰囲気よ。
観光的には、名古屋城や熱田神宮を拝んで、栄なり大須なりをブラブラするような定番を何度かなぞってしまうと、もう行きたいとこも特に無ねぇなという気持ちだったのね。
それでも、しばらく来ないうちに、名古屋城には贅を尽くした本丸御殿や西の丸御蔵城宝館が完成していたり、金シャチ横丁なる観光飲食街がオープンしてたり。
熱田神宮では、宮きしめんの一角が妙に近代的にリニューアルされていたり、刀をちまちま小出しに展示することで、刀剣女子からたんまり巻き上げる気でいる草薙館が開館していたり。
もちろん、ジブリパークも話題なのですが、ベタな場も着実にアップデートしている印象です。
秋の行楽シーズンでもあったため、市中で色々なイベントに遭遇しましたよ。
あえて外県からの観光客に頼らずとも、圏内の住民を楽しませることで、十分に成り立つ感じです。
今回、改めて歩いてみた印象としては、街がものすごく綺麗なのよね。
濃尾平野がとにかく平らだし、広い路が東西南北にドーンと通る、分かりやすい構造です。
やはり家康が平和な時代の城下町として設計した功績が、今日まで残っているのだろうなぁ。
街並みに余裕を感じるのですよ。
僅かなスペースをガツガツ争ったりはしてないんだろうね。名駅以外では、それほど高いビルにもなっておらず、品よく抑制された印象。気持ち良く空が見えます。
うちらの地元のように、山肌にびっしりと住宅がへばりついていたり、戦後のドサクサすぎる建物が入り混じって、めんどくさく権利が絡みついていないから、再開発もしすいんだろうね。
街のあちこちで、新しいビルが建てられている現場を見かけました。
開発の停滞は全く感じませんね。良い形で着実に未来に向かっている印象です。
もうさ、首都圏がゴジラに踏み潰されたら、あとのことは名古屋に任せれば良いんじゃないかという気がします。
名駅周辺には、開業当初、とんでもないインパクトをもたらしたJRタワーに続き、路面に高級ブランド店を並べる摩天楼が数を増やしておりました。大名古屋ビルヂングがマヂに大名古屋なビルになってたし、こっちもすげーわ。
さらにはリニア中央新幹線がやって来ますからね!
名古屋駅の東西では、その受け入れ普請も着々と進んでいる様子。
一方で、うちら神奈川県なんか、七夕が旧暦なままの橋本駅にカスるだけだかんね! なんも恩恵無いわ。 ほぼ八王子だし、橋本に出るまでの間に時間短縮分を使い切って足りないくらいだからな! アホくさっ!!!
県も市もだいぶヤバげな首長でありますが、あんまり関係ないのかな。
必ずしも自治体主導ではなく、自律的に街が発展している側面もあるのかなと思ったりもします。
今回、お城の南東にあるお屋敷街、主税町を初めて歩いてみたのですが、レトロな建築が残っており、いくつかは内部の見学もできたので、なかなか楽しい散歩になりました。
名駅のすぐ近くに市場があったなんて知りませんでしたよ。
朝から市場飯が食えたんじゃん!
嘘でしょ。御園座がどえらく立派になっておりました。
もう藤山直美公演とかやってる場合じゃないぞ。
「はね海老」のある円頓寺商店街は初訪問の時点からすでにレトロすぎる風情でしたが、そのまま朽ちるのではなく、若い出店が支えになっている様子ですね。
隣接する四間道の歴史建物街とともに活用が模索されておりました。
覚王山も初めて訪れましたよ。
タイから寄贈された釈迦の遺骨を祀る日泰寺の門前町で、歴史はそれほど古くないようなのですが、近縁は菓子関連で名前を聞くことが多くなりました。
中心部の喧騒からはやや離れた立地で、やはりお金持ちの邸宅がならぶエリアみたい。
名古屋発祥の松坂屋。
信長に小姓として仕えた伊藤家が、後に開く呉服店がルーツになっています。
覚王山には、その迎賓館であった揚輝荘が残っており、一般公開されております。
中興の祖である15代伊藤次郎左衛門祐民が煽るる財力でもって造成した場所で、現在はだいぶ失われてしまったようなのですが、応時には広大な敷地に30数棟もの建物が移築等されていたみたい。
なんだか三渓園っぽくもありますが、こちらの方が面白いです。
特にステキなのが重厚な山荘風に建てられた聴松閣。
地下に舞台のある舞踏場があり、謎の地下道があり、随所に刻まれたエスニックな神の意匠。
もうね、江戸川乱歩の美女シリーズが何本か撮れちゃうくらいの胸躍るミステリ舞台なんです。
なろう作家は今すぐ足を運んで、作品の構想を練ると良いよ!
そして、やっぱり大須の商店街が面白いよね。
尖ったファッションの若人、ヲタク、コスプレ、下町の生活者、観光客、参拝客、外国人。メインストリートから弾かれた諸々が全てここに集まっているような猥雑さが魅力。
各々の盛り場からちょいとはみ出るような形ではなく、ひとつエリアにきっちり収まっている点が名古屋らしき整った町割り風景なのかもしれませんね。
かつてはシャッター商店街だったとは信じられないよ。地元の柔軟な取り組みにより、幾度かの危機を乗り越えて、有り様を変えながら、今日に至ります。これらは平日の写真ですが、週末は通りが埋まるほどに賑わっておりましたね。
もちろん、グルメにも事欠かないので、ここらを歩いてるだけでも名古屋旅は十分楽しめます。
今回も短期滞在だったので、大名古屋の食を語るなんてのは、おこがましい限り。
ただ、ずっとモヤモヤを抱いていたあんかけスパについては、白黒をつけねばならぬだろうと、稲田俊輔さんの導きに従って、定番店をなぞってみました。
また、名古屋は国内有数の菓子処であるという畑主税さんの発信も気になっておったのです。
ういろうですからね、にわかには信じられなかったのですが、お店によっては京都にも見劣りしないガチガチのガチでした。
名古屋旅、収穫も多く、存分に楽しめました。
順調に書くことができれば、今回は7週分くらいになりそうです。マヂか・・・
コメント一覧
そうなぁ、やっぱり、三河の某グローバル自動車企業さんの影響は大きいと思います。
われが神奈川/横浜にも別の自動車企業がありますが、法人税をまともに払っておらず、財界活動にも消極的ですね。
県も市も首長が痛いのは我らが神奈川/横浜と同じですが、このあたり、財界がきちんとしているイメージです。とはいえ、余所者には大変にセコい印象も拭えないわけですが。
流行病との共生というか、グローバルな流行病との付き合い方も、東名阪で、一番、世界基準的になっていくのも、名古屋かもしれない。そう思います。
>つちころりさん
やはり、盤石の歴史や経済あっての都市繁栄なんだなと感じます。
荷役業者に振り回される当市とは格が違いますよ。
名古屋を訪れていたんですね。
名古屋の有名喫茶店の登山レポとかあったら読みたいです。
>エビオスさん
行かなかったなぁ。
あのお店の記事が求められるのは、個人サイト時代のノリじゃね??
名古屋地元民より詳しい解説ありがとうございます。このコメントでしたら名古屋観光を考えている県外の旅行者の参考になります。尾張の信長、秀吉も満足しております。(笑)
>匿名さん
大丈夫? 京都人の血は流れて無い?
素直に受け取っていいのだとしたら、書いたかいあったよ。
芳光に行かれたんですね!私も先週買いましたがわらび餅もきな粉も好きじゃないのにここのわらび餅は大好きです。今年3回も買ってる(笑)
レポ楽しみにしてます!
>とみぶーさん
わらび餅は春から初夏にかけてのお菓子なはずですが、ご当地では秋冬にも売れまくってるのが面白いですね。
「大黒屋」のも、ぜひお試しください。遜色なくおいしかったよ。
大黒屋さんもいただいたことありますが美味しいですよね!芳光みたいに駅から遠くなくイートインできるのが良いですし、店主さんは芳光で修行されてるのでやっぱり似てますよね(笑)
>とみぶーさん
さすがです。
なるほど、そういう関係だったのか。