旧暦の10月は神無月といわれておりますが、それは全国の神様が出雲大社に集うべく地元不在になるからなんだという説がありますよね。んで、出雲では逆に神在月っていってるらしく!
まぁ、神様は多くても人は少ない土地なので、温かい気持ちで見守りたいとは思います。

神様らは稲佐の浜から上陸して大社へと向かい、そのルートを神迎えの道というそうな。
元々、大社西方のこのエリアが出雲旧来の集落らしくて、渋み漂う住宅風景なのよ。
そんな歴史通りに立地する、一風変わった中華店にやってきました。
割子蕎麦続きもいい加減しんどくなってさ、焼きそばを食べに来たのです。
入口脇にある食堂スペースは、ごく小ぢんまりとしており、むしろ奥や2階にあるらしい座敷個室がメインなのかもしれませんね。厨房ではお母さんたちが忙しそうに働いておりました。

盆の上に大八島国が生み出されたの如き、神話定食です。
刺身定食のど真ん中にねじ込まれたハーフ焼きそばが、神話的不条理を示している気もしますが、元々中華料理店なので、逆に刺身の方がおかしいのか?!
お店の看板の1つである大社焼きそばは、割子そばをインスパイアして作られたものなんだそうな。
要するに自分でソースをかける式の焼きそばなのです。具は蒲鉾、にんじん、青ネギ、たまねぎ。細麺はしっかり焦げ目つけて香ばしく焼いてあり、味付けは卓上の2種類のソースで行います。
うん、これについては、見た通りそのまんまの焼きそばでした。量もハーフなので、焼きそば食いたくてくる場合はだいぶ物足りないかもしれませんね。
お刺身はカンパチとサワラだったのだけど、中華食堂のつまみで出てくるものとは思えないくらい旨かったのよ。ご当地の醤油が甘いことに今更気がつきましたが、脂の乗ったお刺身にはいい感じにマッチします。
小鉢は鶏ハム、木の芽たけのこ、スクランブルエッグ。しじみの茶碗蒸しやご飯もおいしくて、メイン以外の部分が特に印象に残りました。地域の会食需要を担うことで、しだいに料理の幅が広がっているのでしょう。
ちなみに神話定食のメインには、焼きそばの代わりにもう一つの看板メニューである大社ラーメンを選択することも可能。澄んだスープにかまぼこ2枚乗っかる独特のスタイルがあって、どちらかというとラーメンの方が正解だったのかもしれません。
隣席の兄貴も焼きそば神話定食を完食の後、おもむろにラーメンまで追加しやがって!
く、くそう、激しく心乱されるも、腹具合的に追随できず、無念を残したぜ。
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