黄門さん通りのビルに入るお蕎麦屋さん。
水戸のご当地食である、けんちんそばを探してたどり着いたお店です。
ネットで予習するのは、もっぱら食い物の写真だけなので、もっとこう、フツーの古いお蕎麦屋さんだと思ってたのね。
なるほど、このビルの二階にあるのかと足を踏み入れてみたら、まぁ凄まじい廃ビル感でさ!!
たしかに一見小綺麗に見える水戸市街も、一歩中に入ると相当老朽化している例は何度か体験しましたけれど、それにしてもやべぇエントランスなのであります。
んで、入り口よ。
もうね、とっくに閉店して解体作業中なのかなって思いますよね。
そもそも、蕎麦屋だったのかと疑わざるをえないような店構えだしさ。階を間違ったのかとも思いましたけど、しっかり営業中であったのがまず驚きです。
重いドアを恐る恐る開けてみると、中から大将の「イラッシャイ! ラッシャイ! ラッシャイ! イラッシャイ! ラッシャイ! シャイ!」という、気合がほとばしりすぎた挨拶の釣瓶撃ちが止まらねぇの。
私、迂闊にも心の準備ができておりませんでした。どうやら、とんでもない店に来ちまったぞ、という身震いを感じながら席につきました。
店内は無駄にキャパがあり、なかなかワイルドな環境ですよ。諸々むき出しになり、木材を打ち付けたり、よしずを立てかけたりした気取らぬDIYっぽさがあります。いったいどういう素性の店なんだろう?
件の大将は調理中にも「エイ、エイ、エェェーイ!!」というような謎の気合を連発しており、キャラが立ちまくりです。そのまま着信音にしたら元気出そうだなって思いました。
んで、出てきた、けんちんそばが、これまた個性的なのよね。
連食なんてさせねーよ!という、私の水戸食べ歩きを初手から終わらせる大盛りじゃん。
蕎麦自体も、どこぞの調子に乗ったつけ麺店の如きゴン太なのです。表面はザラリとして、たしかに蕎麦なのだけれど、食感はむしろうどんにも近いようなハイブリッド麺で、他では拝めない品です。
汁のけんちんはそれ自体飲めるくらいなので、つけ汁としては全く弱くってさ。
丼の中に山ほど沈んでいる、大切の根菜や芋、豆腐がほどよくシュンでるから、それをおかずに、汁で湿した蕎麦をかじるような独特の食事経験でしたよ。
ある意味、リアルな農村食風なのかもしれませんが、果たして、これをけんちんそばの標準として覚えてしまっていいのだろうか?
せめて、麺に負けないくらい汁を辛くしてくれと、流れてない江戸っ子の血が騒ぐような、何とも言えない感想です。
いや、諸々突き抜けてて、面白くはあるのよ。
コメント一覧
偶然にも私も先月、こちらにお邪魔しました横浜市民でございます。
まず、お店に行くまでの階段がとても急で薄暗く、蕎麦屋さんあるような建物とは思えませんでした。店内に入ると、恰幅さんがおっしゃる通り、スケルトンな感じ。もともとは風俗?キャバクラの居抜き物件かなと思わせるような風情がありますよね。そして、店主?気合いの入った声がコダマして、なんともカオスな空間でした。
連れが何も知らずに大盛を頼もうとしたら、お店のおばちゃんにウチの大盛はヤバイよって制止されました。
私はゴマ汁の蕎麦を頼みましたが、けんちん同様にパンチが弱くて蕎麦に負けてる感があり、途中で飽きてしまい、テーブル上の一味を振りかけて食べましたが完食できませんでした。
後からきたお客さんが大盛を頼んでいたので観たら、ありゃ無理だなと思いました。
>ミノブタさん
お、奇遇ですね。
けんちん以外は濃い汁なのかと思ったら、やっぱ薄いのか。謎めくお店。
ちなみに私の時も後から入ってきたご新規さんがうっかり大盛り頼んでて、あー死んだなって思いました。