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糖質にまみれた高松旅でうどんを見失う

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ヒマなオジサンの一人旅シリーズ。

高松編がいよいよ始まります!

もちろん、讃岐うどんが目的の旅ですよ。

ただ、一つ問題がありまして…

県外にも名が轟くうどん店てば、たいていが田舎風景の中じゃんか。里山や畑に囲まれた、勝手にネギ収穫してくる的な!

輝くゴールデンペーパードライバーである私は、そうしたお店をレンタカーで巡るのは不可能なのです。そんな体たらくでもって香川の食べ歩きなんて楽しめるものなのだろうか? 

今回はそうした疑問の参考になるべく、高松市街において、概ね徒歩の旅で、どんだけのうどんが食えるのかというコンセプトで組み立ててみました。

高松市は香川県の県庁所在地というだけでなく、四国の中心ともいわれる街。

うどんくらいしか捏ねてないのに、なんでこんなに栄えているのかと常々不思議に思っていたのです。

なんといっても眼前に擁する高松港なのよ! 

この港が四国の玄関口として、関西、中国、瀬戸内の離島との関係を密に結んでおるのです。

そして港へと至る鉄道路線の終着地が、目下近代改装中の高松駅。

あざときニッコリ顔に多少イラつきますが、JR四国の本社も設置されていますし、この街が物流や交通の要衝であることは間違いありません。

メインストリートは、港と空港をドーンと一直線に繋ぎます。

金融機関や全国大手の支店などがずらりと建ち並ぶ、まずまず立派な街並み。

そして、なにより猟奇的に感じるのが中心部に連なる商店街の存在です。

かつての城下町に形成された8つの商店街をひっくるめ「高松中央商店街」と称すらしいのですが、そのほとんどが総延長2.7kmというアーケードに飲み込まれており、日本一の規模なんだって!

四国一の商業地でもある高松なのです。

それぞれ特色の異なる通りに、約1000店舗が営業中というだけでスゲェわよ!

毎日十数万人が行きかうってんだから、地方都市にありがちな衰退商店街とは異次元の風景です。

店舗もせせこませず、ゆったり構えておりますね。もちろん、コロナ等でシャッターを下ろした店舗もまま見かけるのですが、とにかく通りが立派なので、あんまり悲壮感が漂わないんだわ。

我々の知る生活商店街の機能にとどまらず、ショッピングモール、娯楽、飲酒飲食、宿泊のあらゆる業種が、この屋根の下に連なるアタオカです。

その一方で、旧来の武家町商人町などの痕跡、歴史風情などは、さっぱり上書きされちゃっている、昭和以降の街並みでもあります。

アーケードは道幅が広いため、ど真ん中の自転車通行もジョートー!

特に朝夕の通勤通学時間はチャリンコハイウェイと化し、相当台数がカッ飛ばしていきますよ。

誰が買い支えているんだというGUCCI様の店頭も、ヲバチャリがフツーに行き交う風景。

いやマヂでさ、宝飾や時計のハイブランドのお隣で、芋きんつばを売ってて怒られないのかよって不思議に思うのです。

まさにカオスな高松の屋根の下。

私も散々周回しましたけれど、最後まで理解が出来なんだわ…

ハリウッド映画ならビームなりテロリストなりが落ちて粉々になりそうな謎ドームの一等地。

唯一のデパートである「高松三越」が格を誇っております。

琴電のターミナルである瓦町駅には、かつて、そごうが入っていた駅ビルが建ちますが、こちらのテナントはスカスカなんだな。

琴電の駅にも商業中心部にも直結していないJR高松駅前には、近年、官民の資本がさかんに投下されているようで、だいぶ無理やりな近代化の先鋭となっておりました。

未来の象徴たる高松シンボルタワーもなぁ、やっぱし中身は心もとないので、ちょっと調子に乗りすぎなんじゃないかと心配します。

地元企業では、資産分散の巧みな、あなぶきんちゃんグループの看板をよく目にします。

商店街沿いにも関連の高層マンションがバキバキと建設中。中心部の商業についてはさすがにこれ以上の拡大は難しく、むしろ郊外に移りつつある一方で、住宅需要はまだまだ高いみたいですね。

自動車社会でもある高松市街には、日中にそれらを受け入れる大きな駐車場も点在しており、用地を転用しやすいのかもしれませんね。

夜の街はあんまり元気がなさそう。

不思議なのは、港町なのにことさら海鮮を推してこないとこかな? 飲食店も中から上のクラスがあまり目に入らない印象なのです。

観光名所では、高松城跡である玉藻公園。

高松城は玉藻の浦に築かれた、いわゆる海城です。

かつての城壁は瀬戸内海に面し、海水を引いたお堀には軍船が出入りしたんだってさ。

鯉ではなく、鯛が泳いでいるのよ!

残念ながら天守閣等は現存せず、三の丸には大正時代に建てられた松平家の立派な別邸が残っているのだけど、これもビミョーな使われ方で観光スポットとしてはやや食い足りない内容かな。

今後の整備が待たれます。

その代わり、現代の高松城として、丹下健三による香川県庁東館がめっちゃカッコイイっす!

かつては屋上に瀬戸内を望むカフェーが設置されていたらしく、その復活を切望します。

港の古い倉庫をリノベーションした北浜アリーも面白い雰囲気でしたね。

特に素晴らしかったのが栗林公園! 

高松旅行で他を見物できなくても、ここだけは立ち寄りたい場所ですよ。

併設のお土産施設も高松一の内容だったしね。

広大な園内に、様々な景色が配された大名庭園。

高松藩主松平家の下屋敷跡を整備したもので、実に400年の歴史があるんだそうです。

樹木はしっかりと管理されており、やはり松が特筆だなぁ。ご当地は盆栽の産地としても有名ですから、ことさら力が入っているのでしょう。

琴電にしばしゆられて、琴平にも行ってきました。

市街地散歩も好きだけど、こういうお土産街を巡るのもやっぱり楽しいものですね。

ただ、こんぴら観光は、この先どうなってしまうのか。

いまさら宴会旅行は望めませんし、全体として緩やかに確実に衰退していってる感は否めません。

こんなん、地獄へ続く階段よ!! いや、マヂでさ、デブは死んじゃうからね。

がんばれゴエモンで見たことある~って喜んだのもつかの間。もちろん旅の思い出には強く刻まれる経験なのだけど、旅行者の中心となるリアタイヤ世代にはあまりに苛烈な785段です。

アクセスしづらさで神威をアピールすなって思うわ!

先ごろ、石段かごも途絶えてしまったようですし、ほどよき場所に下社を整備するなり、こまめな休憩ポイントを設置するなり、神椿までのピストン輸送便を運行するなり、何らかの策が必要なんじゃないかな。

おっぱいみたいな山の形が面白いのよね。

高松は自転車フレンドリーな街です。

市街は限りなく平坦だし、道路も広いし、どこでも駐輪に金を取ろうとしないのよ。

中心部に点在するうどん店を巡るにも、自転車がちょうどいい距離感。ハローサイクリングを利用した市のレンチャリが安価な定額制なのでオススメです。

宿泊拠点は瓦町周辺が便利でしょうね。アーケード内のホテルならなおさら良し。

讃岐うどんについては、正直よく分からなくなりました。

最もショッキングだったのが「はなまるうどん」に、しっかり行列ができていたことよ! 

いいんか、高松!?

あの大アーケードにおいても、うどん店はそれほど目立つ存在ではなさそうなんだよな。

本来が日常生活の隙間でサクッとすする気張らない食べ物なのかもしれん。もちろん大文化だし、どこのうどんも手頃値で、それなりに旨くもあるのだけど、圧倒的かと聞かれると、どうなのか。

高松市街にも多くのうどん店が営業しているので、徒歩旅行での食べ歩きは十分に可能です。

ただ、繁華街に多いセルフ店のうどんについては、天井があるような気もするのよ。

わざわざ遠くから食べに来たのなら、フルサービスのお店を選んで、茹でたて揚げたてのベストコンディションを味わうのがいいのかもね。

いわゆる地元の名店についてもな。もちろん麺道極めたお店もあるのだろうけど、歴史だったり、むしろ非日常感というか、週末に郊外にちょっと足を伸ばすレジャー要素の価値かもなって思ったりもするのでした。

高松は古い城下町でもあり、和三盆の産地でもありますので、お菓子もレベルが高い街なのよ。

ただ、うどんも砂糖も、我々デブにとってはあまりに危険で・・・

しっかり肥えて帰ってきた気がします。

更新は全11回分を予定。長いけど、お付き合いよろしくね!

コメント一覧

  1. 久保和正 より:

    なかなか鋭い指摘と思います。行政は常に後手後手。保守、真似。安いからうどんが根強いけどそれなりにレベルアップしている思います。糖尿病率、高血圧率も高い県です。渇水がなければ静かに住みやすい所と思います。

    • 管理人 より:

      >久保和正さん
      人流や物流の中心なのに、独自の文化を保持し続けているところが面白いですね。
      20年後、30年後にどんな街になっているのかも興味があります。

  2. すな兵庫 より:

    生粋の讃岐人です。現役中には転勤で徳島、愛媛、東京、大阪に居住、他全国の主要都市を訪問していました。
    本記事の角度の違う視点、切れ味良い良い指摘はご尤もと感じ入りました。
    例えば、多く点在するオッパイ型の山については県外殆どの方々から同様な不思議だとの感想でした。
    また、うどんについては立地、値段、味、量、提供時間他様々な理由からそれぞれの常連店を讃岐人は持っていると思います。ご参考までに!

    • 管理人 より:

      >すな兵庫さん
      ラーメン食べ比べの感覚で、讃岐うどんを扱っちゃいけないんだなと感じました。
      街には生活上の様々な場面に寄り添うお店があって、単にお味やメニューの優劣だけで選ばれているのではないんだろうね。
      旅行者視点では一部分しか覗けない、うどん文化の厚みよ。

  3. たんこ より:

    高松!長男が転勤してたおり行ったことあり、2泊で高知も行ってしまったので高松自体はあまりいかれなかった、何より「栗林公園」に行ってない!!ほんとうに惜しい事をしました、でも管理人さんのおかげで再高松旅行した気分です、私も商店街にはびっくりしました、関東にはあまりなじみがないですね、楽しいけど!!ありがとうございました。

    • 管理人 より:

      >たんこさん
      京都大阪神戸も街の中心部に大きなアーケード商店街が現役。
      高松は言葉も関西っぽいし、アーケード商店街好きも西方らしさなのかもね。
      また、遊びにいってみてください。

  4. のあきち より:

    高松は大好きな街ですが…行くたびにやっぱり四国は貧しいんだな…と思うことがあります。
    うどんの激烈な安さからも首都圏との所得差がうかがえます。
    水が乏しいのが何を実施するにも厳しいですよね。

    でも暑い日に食べる冷やかけ、あれは最高です。
    本場はコシと滑らかさが違うんですよね。

    ちなみに香川県人ははなまるセーフ丸亀製麵アウトという印象です。

    • 管理人 より:

      >のあきちさん
      四国はともかく、高松市街に貧しさは感じなかったなぁ。
      確かにうどんは旨いし安いし、奴ら食い過ぎだと思うけど、我々がほっともっとやコンビニ弁当で済ます代わりと考えると使うお金に大きな差はないんじゃないか?
      他方で開発過剰な部分も含め、構造の歪さはあるのだろうけど。

  5. ぽんちゃん より:

    四国は豊かだなあと行くたび思います。自然にかこまれ、ゆったりした生活。所得や物価は関係ないかと、首都圏で長年ローン狭小マンションで家族ギュウギュウ暮らしてる人々の方が気の毒だなと思います。田舎者の負け惜しみです、すいません。

    • 管理人 より:

      >ぽんちゃんさん
      それぞれの土地に魅力がありますよ。
      我々は仕事や家族に縛られて、必ずしも好きな居住地を選べるわけではありませんからね。
      たまの旅行で、うどん旨くて羨ましいなぁと思うのがせいぜいっす。

  6. のあきち より:

    >恰幅さん
    そうですね。ちょっと言いすぎでした。四国の皆様申し訳ありませんでした。
    高松の市街地は賑やかですよね。あの圧倒的なアーケードをはじめ人出もかなりあると思います。
    久しぶりに竹清に天ぷら食べに行きたいなあと思います。

    香川の方々のイントネーションは関西に近いのかな?でも少し違いますね。
    「かたはらまち」「かわらまち」の「ま」にかなり強くアクセントが来るのが印象的でした。

    • 管理人 より:

      >のあきちさん
      関西ベースでありつつ、やや荒っぽく男っぽく響く感じなのかな。

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