高知の「ひろし」でラーメンセット

四国各県には讃岐うどんを筆頭に、徳島ラーメンや松山の甘すぎる鍋焼きなどの名物麺が存在しますよね。

では、高知を代表するご当地麺て、どんなものなのか？

高知市街には、なんともけったいな麺が乱立しており、まとまりがないというか、背骨が見えねぇなって思うのです。

高知駅から徒歩圏内にある「ひろし食堂」にやって来ました。

年輪が塗り込められたような渋い雰囲気のお店で、バサッとした婆さんが一人で対応しております。

店頭に実物も残っておりますが、屋台から始まったお店みたいなんだよね。

私の想像ですけど、高知で親しまれているラーメンは、ご当地スタイルを磨き上げた専門店のものではなく、屋台や食堂のメニューの隅っこに載っているようなものではないかと思うのです。今日に至るまで主役に躍り出ることがなかったんじゃないか？　

すなわち、こんな感じのやつよ。

澄んだスープにかまぼこが浮かぶとことか、うどんや瀬戸内のラーメンにも通じるような外見です。

白くて優しい口当たりのストレート麺。

スープは淡く、あんまり手間を掛けないリアルな屋台風で、ことさら旨いものではないのだけど、弱った胃にはじんわり染みてちょうどいいくらい。しょっぱいの豚がアクセントになっています。

ご飯は１/3って注文したんだけど、婆さん、飯を食べさせたい派なのか、なかなか減らしてくれなくて難儀したわ。

そして、皆さん、お気づきでしょうか。

定番たるラーメンセットが、中華そば + ライス + 玉子焼の組み合わせである奇異に！

ちんまりネギの入った分厚い玉子焼は、甘くしない関西風のだし巻で、レンチンしてほんわか温めてくれます。

やっぱり、高知市民は玉子焼が大好きなんだと思うのよね。

あとは婆さんがコテコテと炒める炒飯（というか純正の焼き飯だよな）が人気らしく、遅れて入って来たおっちゃんたちは、みんな半チャン濃いめのオーダーでした。

観光には向かないんでしょうが、これぞ日常のお店ですね。