高知市街観光の起点は高知駅がいいでしょうね。
駅前に立派な観光案内所があって、旅中に必要なものはたいてい揃っておりますよ。



”龍馬パスポート” というシステムがあるのです。
観光施設や宿などで印を集めていくと様々な特典が得られるようになるスタンプラリー形式で、それ自体は珍しくないのだけど、面白いのはリピート訪問を促しているところなんだよね。
集めた印の数に応じて、青旅券→ゴールド旅券までの5段階のステップアップがあり、特典も豪華になっていく仕組みです。
ゴールするには12泊以上96のスタンプが必要なので大変ですが、見事殿堂入りを果たすと、観光案内所に立派な木札が掲げられ、これが意外に少なくない人数になっているみたいなんだよな。
戦後、よさこい祭りを生み出し巨大に育てた実績もあるし、施設の整備なども含め、高知市の観光政策は上手くやってる方じゃないかと感じます。

中心市街からやや離れた桂浜や牧野植物園を訪れる際には高知駅から出発する ”MY遊バス” を利用します。
こと植物園の方は、これしかアクセス手段が無いので、徒歩旅行者は必ず利用することになるのだけど、平日6便、休日9便の運行が目下の限界。
すなわち、1スポットにつき、1時間ないし2時間以内のくぎりで観光しなければならず、やたら駆け足で観光する私でも旅程に余裕が無かったんだよな。
帰りには「とさのさと」にも絶対寄ってほしいし、ここはまだ調整の余地ありな気もします。


まずは「高知県立牧野植物園」にやって来ました。
「一応、覗いてみるか」くらいのヘラヘラな期待感で訪れたのですが、うっかりスルーしなくてよかったよ。
国内トップクラスの素晴らしい植物園じゃんか!

朝ドラのモデルにもなった ”日本の植物学の父” 牧野富太郎を顕彰した施設です
氏は文教のまちとして知られる高知県佐川村の出身で、多数の新種を発見し、命名も行った近代植物分類学の権威。
日本全国で採集を行い、94歳で亡くなるまでに50万枚もの標本を残したようで、その過半が当館に寄贈されました。

五台山の山麓に植物園が設置されたのは、牧野没の翌年である昭和33年。
朝ドラを期に注目が高まりましたが、けっこう歴史のある施設だったんだな。
高知駅からは直線距離で5kmほどしか離れていない場所だけど、山の上なので徒歩アクセスはキツい。
昔は国文川の対岸から山頂まで、ロープモノレールなるものが運行されていたらしいのです。ただ、人も住んでないし、地元のお客さんはもっぱら自家用車で来るから需要が無いぜよってことなのか、現在は謎の公共交通空白地になっております。

入館前のアプローチの時点で、すでにエモいな。
植物園て、平坦な庭に花壇的な分類展示がなされているとこも多いじゃん。
こちらは山の環境を活かして、地元土佐の植物生態園を演出しているのです。

もちろん人工的ではあるのですが、美を意識した作庭とはまた違う、自然を切り取ってぎゅっと凝縮したような造りが良い感じ。

園内には遺品や研究資料を収蔵した牧野富太郎記念館。
内藤廣設計のうねるようなフォルム。木々や風と静かに調和するような、なかなかカッコイイ建築なのです。






別館の方には、牧野の生涯と業績を展示したスペースもあり、室内だけでも十分過ぎる観光ボリュームがありますよ。


朝ドラはどんなだったか知らんけど、演者が神木キュンじゃなきゃ、炎上案件だよな。
故郷に妻を残したまま上京して、金だけ送らせ、実家の造酒屋を破綻させた上で、更に地元の音楽振興へ浪費。
東京では10も下の娘と浮気して、13人もの子を産ませた上、今の価値で数億円をこえる借金まみれの極貧生活。
さらにパトロンのメイドに手を出したり、多額の研究費を女郎屋で使い込んだり。
道楽の対象がたまたま学術価値のあるものだっただけで、人格的には最低のクズ野郎といわれても仕方なしじゃんか!!
本当の偉人は今を恨んではいないスエコの方だよ! つまり浜辺美波だ!


企画展では、様々の種について、面白き勉強をしてきました。




園の広さは三渓園くらいなのですが、こちらは山肌に設置されているので高低差があり、軽いハイキングのような感覚で散策しています。

見晴らし良き展望台もありますよ。

植物の香りや手触りを楽しむ事ができる、ふれあいの庭。









お花も様々咲いておりました。

蝶もヒラヒラして、市井のフォトグラファー達が撮影に熱中。




土佐寒蘭の保護普及の役割も担うようで、約260品種を保存する「土佐寒蘭センター」
生薬の標本庫や小林製薬も参画するラボなども設置された「植物研究交流センター」

そして、南園には温室があります。

こちらもなかなか立派なんですよ。









ところで温室内の受粉てどうしてるのだろう?
風だけじゃままならんだろうし、ある程度は虫も放しているのかしら? 手でやるのかな?

植物園のある五台山もこれから訪れる桂浜も、周辺に徒歩アクセスできる野良の飲食店はほぼ皆無です。
いったんMY遊バスのルートに乗ってしまうと、必然的にどちらかの施設内で食事しなければならないのは考えものだな。
一旦市街に戻って、出直すような形が好ましいけれど、いかんせん、バスが少ないんだよ。

植物園のお隣には四国霊場第三十一番札所の「竹林寺」






724年に行基によって建立されたという歴史あるお寺で、空海にも縁がある場所のようですね。
聖武天皇の命で、唐の五台山に似た五峰をもつ山を探してたどり着いた経緯らしく、現在の地名の元にもなってるんだな。
観光的にものすごくは推されていないのですが、とっても雰囲気のある境内なので、こちらもスルーするのはもったいない。
ただやはり、公共アクセス路はMY遊バスのみで、発着時間が限られているため、ゆっくりお庭まで見物できなかったのが残念です。

やってきました「高知県立坂本龍馬記念館」
地図上では隣接する桂浜と気軽に行き来できそうに見えますが、記念館はかつて浦戸城があった小高い山の上に立地しますので、MY遊バスはここで降りておかないと意図せぬ登山を強いられます。要注意!
しかしさ、土佐統一を果たして、出来人とも評された長宗我部元親の居城跡へ、出奔した足軽の息子の記念館をおっ建ててしまって祟られないのだろうか?! お御当にはけっこうな怨念が渦巻いているような気もしちゃう。

屋上からは長浜方面を望む、素晴らしき風景です。
すっかり予定が押して夕暮れ時になってしまったのも、逆に功奏か。









さしたる展示はありませんでした。
正直言うとね、こちらに至る前までに、龍馬はお腹いっぱいなのよ!
高知はどこに行っても龍馬ばっかし!! 「シェイクハンドぜよ」じゃねーし!

しばし山を下って、桂浜に降り立ちます。
男子ならば、ここで「日本の夜明けぜよ!」って、言ってみたいよね!
でも、実際は夕暮れだし、斜陽止めどなきオジサンなのです。

深い青色のきれいな海だn。
心もち荒っぽい波が打ち寄せるのも、それっぽき風情ですね、万次郎さん。
ちなみにジョン万次郎らは遭難した鳥島でアホウドリを生でかじりながら143日を生き延びたそうです。

桂浜はやはり高知観光のメインスポットらしく、主に観光バスでやってくる団体ツアー客が多く訪れておりました。
有名な像の前では、龍馬大好きな紳士たちが、語尾に「ぜよ」をとってつけながら、ニッコニコで自撮りをしておりますね。
その他、水族館もあるんだけど、もう時間切れ。

裏手には「桂浜 海のテラス」という近代的なお土産&お食事スポットが整備されております。
路線バスなどもここに発着しますので、帰り便の時間調整はしやすいです。



おまけで「高知市立龍馬の生まれたまち記念館」
その名の通り、龍馬の生家のあった上町に設置され、龍馬の生い立ちや街の歴史を展示しております。
本家である豪商、才谷屋もこの近所にあったみたいで、様々な人々が行き交う活気ある街だったようですね。






高知市は、ええ加減、龍馬が多すぎゆうやいか!
死してなお、故郷に富をもたらしているのだから、やはり、たいした男なのであります。


コメント一覧
私も2年前に高知に行き、牧野植物園が素晴らしすぎてずっと居座ってました♪(らんまん効果で結構混んでました)
初日は高知市で、次に四万十、そして次にどうしても行きたかった足摺岬で。
土佐清水の素晴らしいこと、この上なしでしたね。
あ、私も須崎の道の駅でカツオ食べました♪(鍋焼きラーメンも食べてしもうたw)
忘れられなくて、新橋の土佐清水ワールドに通っています。