松山中央郵便局のお隣りにある郷土料理店。
ガイドブック等に掲載されることも多いお店です。
玄関付近にハッタリ板を貼り、フィール・ザ・ヒストリーを漂わせておりますが、実体はくたびれたビルなのよ。
かなりの老舗というので、ドキドキしながら入店したのですが、案内されたのはレジ前に取ってつけたような客席で、それらしき趣は漂わねぇな。
立地も観光エリアからはやや外れているため、フリの観光客が繁く訪れている様子でもなさそうなんだ。
階上には広い座敷があるらしく、むしろ団体客を受け入れるような営業がメインなのかもね。さっきから、バスがどこに居るのか、どのくらい遅れるのかなどのやり取りがギャンギャン耳に入ってきて、なんだか忙しねぇなって思いながら食事しました。
お目当ては鯛そうめんです!
瀬戸内沿岸でよくみられる宴席料理で、鯛麺などとも呼ばれておりますよ。
これはやっぱり見た目の華やかさが大事な料理なので、切り身ではなく、小ぶりながらも尾頭付きを乗せた一人前を食すことができる希少な当店を選んだ経緯なのです。
鯛麺のスタイルはところにより様々で、こちらではあっさり炊いた鯛のまわりにとりどりの具材や麺を盛り付ける式でした。そうめんは煮汁に絡めるのではなく、フツーにめんつゆが別添えされるので、お料理としてはちょっと肩透かしかな。
実のところ、当店が老舗を名乗っているのは、お料理屋さんとしての歴史ではなく、母体である「五色そうめん」が寛永12年創業ってことだったみたいなのよ。そういえば、レジ脇でやけにそうめん推してたし、店名もそっから来てたんだな。
そうめん屋さんとしては、本来の色や食感を損ないたくないってことなのかもね。
ランチセットには鯛そうめんの他に、みかん寿司、じゃこ天、じゃこサラダ、煮物小鉢がついてきます。
穴子や小肌の細切れが散るされたお寿司は、ご当地の ”もぶり飯” のスタイルでもあるのかな。みかん汁を混ぜて炊いた酢飯はご当地らしく甘めの仕上がりでしたが、ことさらみかんを感じるお味でもなく、色付け用かもね。
小判のじゃこ天はちゃんと揚げたてよ。ただ、小鉢は業務品ぽいし、水煮の山菜もダサくって、総じてハッタリな印象です。他にも鯛めしなんかも提供しておるようですが、郷土料理店の味わいというよりは、名物をお手軽に並べた観光膳の価値だと思いますよ。
口開けなのに、茶も出がらしのような薄さだったしな。
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