広島観光において、宮島は外せないスポットです。
日本三景にも数えられる安芸の宮島。
かつて平家が信仰した歴史ある厳島神社と、洋上に浮かぶ大鳥居が名物ですよね。
原爆史跡などに頭を垂れつつ、慎み歩かなければならぬ広島市街では、ささやかな食べ歩きをする際にも、なんだか申し訳ないような背徳感を覚えてしまうからな。
その代わりに、こちらが広島旅の娯楽要素のすべてを背負ってる感。
ここも超久々に訪れました、駅も港も立派に近代化していて、驚きましたよ。
今回は広電のフリーパスを買っていたので、広島市街から路面電車にのんびり揺られて行くべかとルート設定しましたが、だいぶん時間がかかるため、ナルハヤでJRに乗り換えろという案内が出てきます。
そもそも、西広島以降の宮島線は、路面では無い鉄道線に切り替わるから、風景も楽しくないのよね。
厳島へはフェリーで渡りますよ。
穏やかに凪いだ瀬戸内の海を、船で渡る。もう、それだけでサイコーな気分よね!
宮島航路は主に「JR西日本宮島フェリー」と「宮島松大汽船」 の2社で運行しており、10分待たずにいずれかの便が出港する形になってます。これってば、日本有数の高頻度なんじゃなかろうか?
その他、広島港からの便もありますし、いかにも瀬戸内らしい水軍風情を味わえますよ。
海上から望む大鳥居です。
対岸に近い厳島は北南に約10.5km、東西に約3.5kmという、意外と大きな島なのですが、そのほとんどが花崗岩の山なので、観光エリアは限られています。
その分、丸一日遊んでちょうど良いくらいのコンパクトに纏まっているのが良いところ。
ドデーンと構える宮島桟橋に到着です!
さすがに立派すぎるだろって思うのだけど、島には1日に万単位の来客があるってんだから、やっぱりすごい観光地なんだよな。
島内にはシカちゃんがいますぜ。
目下、増えすぎた鹿を野生に戻すべく対策が行われており、餌やりは禁止。
観光客のせんべいにまみれた本家の奈良よりも、だいぶ穏やかな生息風景です。
癒やされますよね~
そして、賑やかなお土産観光街!
もちろん内容はベタベタだし、商品もロクでもないのよ。
でも、やっぱ、旅先にこういう風景があるとすこぶる楽しいのです。
名物のもみじ饅頭をはじめ、穴子や牡蠣、レモンを使ったドリンク等々、ご当地飲食のネタも豊富で飽きさせません。
外国人の皆さんも広島市街とは異なるニッコニコ顔で買い物を楽しんでおりました。
そして、厳島神社です。
創建は飛鳥時代まで遡るらしいのですが、その後、平家の厚い庇護を受け、平安後期に平清盛が現在と同程度の立派な社殿を整えた歴史があるようです。
ちなみにご宣託は、常にカープが勝つ勝つ、勝っつ勝つと出るようなので当てになりません。
寝殿造りの社殿そのものは、ぶっちゃけ、すげー神々しいなと思う建物ではありません。開放的でわりとシンプルに思えます。
肝はやはり海上に浮かぶロケーション、周囲の風景との調和という部分かな。
反面、痛みやすき特性があるので、元々がまめに直しながら使っていく運用になっているようです。台風なんかでも、派手に壊れますけど、都度、頑張って復旧させてますもんね。
干潮時はこうして、鳥居の近くまで歩いていけるのが楽しいな。
浜の穴の中にはカニや貝もいるし。潮位により、変わりゆく神社の風景も眺めるのも良き。
その他、島内では趣ある風景にも出会えます。
神社の宝物館はだいぶボリューム不足なのですが、お寺や神社、龍の髯のごとく30mもの枝を伸ばした古松など、その他の見どころも点在しております。
ホントは弥山にも登ってみたかったんだけど、サミット終わったとたん、ロープウェーが長期点検休業に入ってやんの! たるんでんな! 私の腹ぐらい!
弥山の中腹に置かれた「大聖院」は真言宗御室派の大本山。
かつては厳島神社の別当寺の役割もあった由緒正しきお寺ですが、現在は仏教におけるエンタメ要素を佃煮のごとく詰め込んだやりすぎスポットとして、観光客を楽しませております。
石段の手すりにはズラリ摩尼車。鐘は自由に撞けるし、なんか投げ込む願掛けもあります。あっという間に四十八ヶ所巡りができちゃう編照窟。これでもかと並んだ仏像や五百羅漢像の数、数、数。
境内でしばし待ってると、モクモクと霧が吹き出すサービス過剰ですよ!
こういうのが、外人の心に突き刺さりまくりだろうね。
千人の僧が同じ経を読む、千部経転読供養のために、秀吉が命じて作らせた千畳閣。
その名の通り畳857枚分もの広さがある大経堂です。
実は秀吉の死で工事が中断して、壁も天井もない未完成の状態で今日に至ります。
でも、逆にこのガランとした感じが豪快で、パンチのある風景よ。
ちなみに勝利をすくい取る的なこじつけでもって、ゼレンスキーにも送られたしゃもじは、古来宮島の名産品。巨大なものが奉納されておりました。
ここでのんびり涼むのも良さそうじゃん。
有名な厳島合戦の折には、陶晴賢の本陣も置かれた小高い丘に立地します。
島の反対側に密かに上陸していた毛利元就に裏山から奇襲されちゃったのよね。
日程に余裕があれば、広島市街ではなく、宮島や宮島口の観光ホテルに泊まって、海を見ながらゆっくりするのも良いんじゃないかな。
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