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野毛の「萬里」で肉の揚げだんご

私は下戸なので、あんまり寄り付かない野毛。

悲惨だったコロナ禍をしぶとく生き延びて、以前にも増して盛況な光景となっておりますね。

お店も客層もだいぶ若返ったし、賑やかな宴席の様子が往来にまではみ出て、かつてのしっぽり斜陽な雰囲気とはだいぶ変わりましたよ。

みんな楽しげでいいじゃないかと思うのです。

やってきたのは変わらぬ佇まいの「萬里」。

主に利用していたのは伊勢佐木町店だけど、ほぼ毎週通っていたので、我が家にとっては思い出深いお店の一つなのです。

安くて、ゲスくて、お腹いっぱいという貴重な穴場でありましたが、やはりこちらも野毛ブーム、大衆中華飲みの渦に巻き込まれており、行列ができていたり、姐に「ご予約は?」なんつって聞かれてしまう状況が続いて、近年は寄り付かなくなりました。

いや逆に、宴会以外で「萬里」に予約を入れて来るヤツらの顔こそ拝んでみたいわよね!

あるタイミングで、熟練層の料理人が交代してしまったのか、お料理もだいぶ印象が変わってしまったんだよね。

ファンの多かったやわらかいやきそば、いわゆるチャーメンについては、ご覧のようにもはや別物といっていいでしょう。

噛み締め系の分厚い焼き豚と、ちょい安易な蒸鶏、豚耳の三種盛り。

コラーゲンで煮凝りのようになっている豚耳が意外と本格的で旨いのです。おつまみにぴったりよ。

もちろん、悪い変化ばかりではなく、看板メニューの餃子なんて、より健康的においしくなったような気がします。

でも、昔のグダグダギトギトも妙に懐かしく感じたりもするので、一長一短かな。

肉団子がサイコーじゃんか!

カリッと揚げたてハフハフ。香ばしくて、とろりとした甘酢あんも具合もちょうどいいんだわ。

これは私の大好物でもあるのですが、小皿では既製のチキンボールになる時期もあって、迂闊に注文できなかったんだよね。

最近はこんな真っ当な肉団子が出てくるようなので、めっちゃお得。

お料理は”らしさ”が減じた代わりに少しづつ現代的にアップデートしてきた部分もあるんじゃなかろうか。

詮無き懐古にとりつかれず、大衆中華店として、改めて評価してみると、客足が途絶えない人気ぶりも合点ができるのです。

通常の半額でいただけるサービスメニューの八宝菜。

いわゆる五目うま煮なのですが、値引きの分、具材も抜かれるので、いつもよかペラい仕上がりか。

こういうとこに野毛っぽさが残ってるなって思います。

こんなにお客が多いのなら、今こそ放題亭復活の好機なんじゃねーかと思うのだけど、単純なイケイケフィーバーというわけでもなさそうで、当代最後の一花的な気配も漂うんだよな。

はたして未来の野毛に「萬里」は残っているのかな?

オススメ:   ★★

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