2023年8月までの記事を =懐古編= https://taputapu.info/archive に移設しました。
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【食べ旅・愛媛】 砥部と三津浜

お城と道後温泉以外は、いまいち見どころがなかった松山市街。

途中、大洲あたりに足を伸ばしてみるプランも想定していたのですが、この雨中に散策するのもかったりぃなと、近場でやっつけることにしたのです。

松山中心部から古~い伊予鉄バスに揺られ、小一時間。

焼き物の里、砥部町にやってきました。

ご覧のように、山あいの小さな町なのです。

この中に、民藝でもおなじみの分厚い器をつくる窯元が、約80軒もあるってんだからすごいのよ。

バスを降りると歴史ある神社が見えたりはするのです。

ただ、観光化はほぼほぼなされていないようで、陶芸巡りの途中に立ち寄れる小洒落た食事処やカフェなんぞは、さっぱりきっぱり見つかりません。

来る途中も誰一人すれ違わなかったのですが、「砥部焼伝統産業会館」にも、お客さんはいねぇのか。

街の中心で砥部焼の展示販売を行う立派な施設です。

本来なら、ここで自転車なぞを借りつつ、有名な梅山窯や、展示で気に入った窯元をいくつか巡りたかったのだけど、日頃の行いが悪いせいか、また雨がザンザン降ってきてさ!

もうしょうがねぇな……と諦めましたよ。

砥部川を渡って

砥部焼観光センター 炎の里」も覗いてみました。

カフェやお土産等を含めた広い売り場を持ち、車で訪れる観光客の受け皿にもなっている施設です。

こちらは「千山窯」という窯元でもあって、自社の品を中心に多くの窯元から商品を集め、伝産会館の売店とはまた違う内容をそろえております。

町中に多くのお客さんを迎えるキャパは無さそうだし、中小窯元を巡るルートを整備するよりは、このような規模の売り場を確保してくれる方が助かるな。

できれば、松山のスカスカな中心商店街にでも砥部焼共同売店をどーんと構えてくれたら、もっと便利にお土産にできるのになって思うのです。

丈夫で日常使いできる良い器なのに、まともに扱うお店が少なすぎて、もったいない!

そうそう、こちらの施設には団体向けの体験コーナーや見学コースも整備されておりました。常時動いているわけではないようですが、職人さんたちの絵付け風景なども覗くことができました。

ちなみに私も何枚か買ってきたのですが、とにかく重いぞ、砥部焼は!!

お次は松山市駅より、みかん色の伊予鉄高浜線に乗って、15分ほど。

三津駅にやってきました。

このエリアのご当地食である、三津浜焼きを食べにやってきたのですよ!

元々は万葉集にも記されているという小さな漁村。

古くからの魚市場があった関係で、現在も「松山市中央卸売市場」が設置されておりますが、周囲にそれっぽい飲食店があるわけでなく、特に海鮮の町として売りだしているそぶりは見られません。

この見晴らし良き丘の上には河野水軍の拠点である港山城が築かれていたんだってさ。

その後も水軍の拠点として整備が進み、松山藩の海の玄関口として、発展してきた歴史があります。

その昔、漱石や秋山兄弟なども利用したようですが、当時は大きな船が入れず、沖合に停泊したところに小舟で乗り込む形だったみたですいね。

現在では大方のフェリーが伊予鉄の押す高浜港や松山観光港で発着し、商業港としての機能も松山外港などに分散されたため、もっぱら漁船やプレジャーボートの停泊地の役割なのかな?

地域を支えた造船などの産業もすっかり没落しておるようで、あまり景気の良い風景ではありませんね。

ただ、潮の香を感じない松山市街に比べると、瀬戸内海に来たなという感慨があります。

ちなみに湾内の渡船 ”三津の渡し” は室町時代からの歴史があるんだって。

私一人のために動かしてもらうのは心苦しくて遠慮したのだけど、ホントは乗ってみたかったな~

駅前から続く商店街もカッラカラに寂れているのですが、こう見えて、県内外から移住してくる人が増えているらしく、面白げな若いお店もポツポツと見えるのです。

そして、この町の人口には明らかに多すぎる三津浜焼き店が営業しているのが変なとこ。お魚に飽きると、わかりやすいソース味が欲しくなるってことなのかな?

まぁ、なんもないといえばなんもない場所ですが、鄙びた港町の風情を味わえます。

玄関先の花なぞを愛でつつ、のんびり歩きましょう。

周辺に塩田があった関係で、かつては醤油づくりが盛んな土地でもあったそうです。

今でも小さな蔵がいくつも営業しているみたいですね。

ただ、生産量は多くはないようですし、もっぱら地元向けとなる細々とした商売みたい。

もうちょい楽しく観光化できるんじゃないかという気もしつつ、このままスローであってほしくもあります。

幸い戦火を逃れたことで、往時をしのばせる、豪商や文化人等の立派な建物が残っており、それらをリノベした施設や店舗もチラホラ見かけます。

衰退か再生か、どうしても前者の潮の方が早い気もするのですが、宝探し気分で、ぶらぶらそぞろ歩くには面白いエリアだと思いますよ。

旅に来たなって感じです。

天気が良ければなぁ、フェリーに乗って島の方まで行ってみたかったんだけど、それはまた機会があれば。

コメント一覧

  1. てつあん より:

    柳井港までの防予フェリーは、いまでもこちらから運航しているみたいです。
    昔は、さんざんお世話になりました。

    広島とか小倉への船は松山観光港なので、たしかにマイナーな感じですね。

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