野毛の米国風洋食店「センターグリル」にやってきました。
一時は低迷した野毛でありますが、みなとみらいの開発や観光化の進展に伴い、再び大活況を見せております。
若向きのお店も増えて、街の雰囲気もだいぶ変わりましたけど、近代的で無機質なMMの環境から抜け出して、小汚く猥雑なこのエリアで息抜きをする陰陽の機能が横浜には意外と大事なのかもね。
週末などは昼飲みをしくさる者共も増え、賑いに引っ張られる形で当店も行列必至の状況。ただ、今や希少な通し営業のお店なので、地元の方は平日の昼過ぎから夕方あたりに訪れるとスカスカです。
観光の皆さんは、ナポリタンや特製オムライスの盛り合わせである特製浜ランチのオーダーが多いでしょう。
近年はナポリタンのレジェンド店として再注目されている「センターグリル」は、かつて玉子の中が白飯という誰得なオムライスで露出することが多かったように記憶しております。
そういう違和を漂わすメニューってば、たいてい深い歴史を孕んでいるものなのですが、現在は世の主流に迎合する形で、ケチャップライスにふわふわ玉子乗せデミがけの今風 ”特製オムライス” に上書きされつつある流れです。
しかし、当店で真に着目すべき品は、スパランチよ!!
古い常連らの要望で生まれたという欲張りメニューで、地元の餓狼どもはだいたいこれを目当てにやってきます。
銀皿の上に盛り合わされるのは、揚げたてのチキンカツ、スパゲティ、白飯、ポテサラにキャベツ。
主役はもちろん太麺軟茹でのスパですよ。滑らかなケチャップ炒めの上にちょろりミートソースがかかる、当店伝統のスパゲティイタリアン。ナポよかこっちが潔い!
男子は人生をこじらせる年齢になると、洋食や弁当で一番旨いのはむしろつけ合わわせのケチャップスパであるという、うわ言を繰り返すようになるのですが、あいつが更に旨くなって、たっぷり盛られた夢の結晶です。
「なんなら、俺等はケチャスパで白飯が進むんだぜ」という、関西のお好み焼き定食文化圏に尖った挑戦状を叩きつける品でもあります。
ちなみに、このスパランチにカレーやハヤシをかける野毛ランチなるものも存在しますが、それは野暮ってもんですぜ、お客さん。入門者にはチキンカツという救済も用意されているからね。ウスターをジャブっとかければ、白飯を持て余すことはありませんよ。
このスパランチは、長崎を席巻し、もはや何がなんだか分からんようにもなっているトルコライスにも抗しうるポテンシャルを秘めた品だと思うのです。
横浜の飲食店は当店をリスペクトしつつ、追随してほしいなと、切望しているのだけど、そんな動きはサラサラ無く。そもそも文明開化の地に、洋食店がまともに残って無いっていう淋しい状況なのです。
未食の方は、ぜひ、野毛のスパランチをお試しあれ!
コメント一覧
このポテサラが美味しいんですよね。
途中から単調になりそうなところに良いアクセントになります。
チキンカツも熱々なので楽しいです。
>のあきちさん
ポテサラも良いね。
無駄な部分が一つもないのよ。
こんにちは。
イタリーノの付け合わせスパゲッティが
美味すぎて、別皿で頼んで食べた記憶あります。
最近行けてませんが代替わりしてるんですっけ?
>匿名さん
私も代替わりして通し営業じゃなくなってからは、全然寄れてないわ。
いわゆる ”スパ大” の気持ちは分かりつつ、別皿ちょこ盛りでなく、スパランチくらいたっぷり食いたい派です。