皆さんはチーズ饅頭をご存知でしょうか?
チーズを具にした一口サイズの洋焼菓子で、目下、宮崎土産の定番品になっております。
宮崎県は特にチーズの生産量が多いわけでもなく、なぜこれが名物になったのかはさっぱりわからないのだけど、伝統的な菓子が目立たない土地でもあるので、ことさらハイカラな商品が求められたのかもしれませんね。
かつての日向国のごとく、大藩に独占される形ではなく、中小店が様々なレシピでチーズ饅頭を製造しており、扱う店舗もバラバラ。県の物産館等においてもわずかな種類しかならんでいないため、地元の方でも全貌を俯瞰するのが難しいお菓子かもしれません。
今回、駅やデパートなど市内散策中に目についた商品をいくつか購入して、宮崎チーズ饅頭とはなんぞやという謎の一端に迫ってみました。
チーズ饅頭の発祥は定かではないようですが、小林市のお菓子屋さんだとする説が有力らしく、「風月堂」は元祖を謳うお店の一つなんだそうですよ。
チーズ饅頭を大まかに分類すると、常温保存できるものと、要冷蔵のものに分かれます。
「金城堂」等の要冷蔵品は、遠距離を運ぶお土産には扱いづらいのですが、チーズのフレッシュな風味を味わえるので、お味重視の方にはオススメです。
「風月堂」は、プレーンな味わいの薄皮ですが、持ち上げるだけでボロボロ崩れて具合わろし。具はクリームチーズベースでネットリとしておりますね。
「お菓子の日高」は、アーモンド粉と砕けたレーズン入りのしっとり皮。中のクリームチーズは水分が抜けて、ややオイリーに感じます。
「金城堂」は、アーモンド粒をアクセントにしたほんわか皮。具にはゴーダチーズも使っているようで、風味よく、強めの塩気を感じるのが面白いところ。
上段左から、「リューヌ・ドゥ・プランタン」 「らんみや」 「おかしの清香堂」 「三徳饅頭」
日向市にある「清香堂」も元祖を謳っているようですね。
ご覧のように、皮の違い、チーズの違いによって、いろんな流派が生まれているようです。
食べやすい一口サイズ、中にチーズが入る意外性、饅頭という親しみやすい命名などなど、諸々がうまくハマった商品だと感じます。
ただ、大手工場が絡まず、手工業で生産される分、状態が安定しない欠点がありそうですね。
「リューヌ・ドゥ・プランタン」は、触っただけでボロボロに崩れてひどいものですな。焦げ風味の漂う皮は最もしっとりで、チーズはマイルドな味わいです。
「らんみや」は、具のチーズよりもケーキ風味のしっとり皮が印象に残りました。
「おかしの清香堂」は、ほどほどしっとりとしたプレーン皮に、ぽっくりとしたチーズ。甘味はやや控えめですが、今回のお土産品の中ではこれが定番を担える商品といえるかもしれません。
「三徳饅頭」は、チョコチップ入りの皮はサクッとした食感を残し、具のチーズもほどよき酸味を残します。
ということで、7種類のチーズ饅頭を食べてみましたが、現地ではこんなもんじゃ網羅しきれないほど、たくさんのチーズ饅頭が販売されておりました。
ぶっちゃけ、お味のダントツベストは選べねぇな。
むしろ、レシピよりも、コンディションの方が重要な気がします。
その点、一番おいしかったのはパック品ではない「三徳饅頭」で、次点が「金城堂」の要冷蔵品。常温保存可のお土産品は、ほぼほぼアウトな印象です。
なお、今回はかったるくてたどり着けなかったのですが「わらべ」などは、作りたて売り切りの専門店らしいので、状態の良いチーズ饅頭がいただけるかもしれませんね。
以上、ご参考までに。
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