「大珍楼」は昭和22年創業の古顔です。
生き馬の目を抜く中華街大通りで生き残る代わりに、食べ放題専門店として、己が魂を捧げたお店よ。つっても、ブームのずっと前にワゴン式の飲茶やオーダー食べ放題に先鞭をつけた経緯があるので、軽々しく下座にはおけない存在。
現在でもお料理の実力には定評があり、身内や勝手知ったる筋の注文宴会には、普段の食べ放題とは次元の違うお料理が供されるようです。ただ、私はそういうのってあんまり好きじゃないのよ。何も知らん若人達にもおいしいもん食わしたれよって思うので。
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そんな「大珍楼」がランチを復活させ、しかもそれが煲仔飯だっつーことで、俄然食欲が出てきたの!
二階で食べ放題と並行して提供する形みたいだけど、平日昼って、こんなにガラガラだったんだな。そんな隙間を埋めたい意図もあるのでしょうね。
かくいう私もしばらく利用してないんだけど、地元では有名な「大珍楼」も、天井低き食べ放題の中で頭一つ抜け出すことは容易ではなさそうで、他みたいに下品に客引いた方がよほど効果的ってことなのかもな。
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メニューに一番大きく乗っていた自家製スペアリブ入り炊き込みご飯。
こんな土鍋がカセットコンロに乗ってやってきて、姐がテーブル脇でタレをかけながら混ぜ混ぜ焼き付けて仕上げてくれるのです。今はまだスカスカだからいいけど、こんなん、丁寧に対応してたら大変だな。
その他全4種の煲仔飯は平日限定30食。さらに限定10食のリーズナブルな週替わり丼も出すようです。
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お味は旨いよ。
やはり、ハフハフと吹き上がる熱を食らうの醍醐味なのよね。
日本米を使い、仕上げにたっぷりタレを混ぜるため、比較的ウエットな仕上がりです。鍋肌には香ばしきおこげ。
乗っかるスペアリブがまた良いお味なのよ。さすがに食べ放題には出てこないんだろうけど、わざわざ書かなくても自家製に決まってんだろとは言えない風潮には若干の寂しさを感じるな。
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例湯をつけてくれるのもポイント高です。
思いかえせば、土鍋ご飯も例湯も、その昔の大珍で初めて食ったんだもんな。
この濁り色よ。落花生などがたっぷり入って滋養がありそうなスープ。
イイじゃんか。
食後に杏仁でも付きゃ、なお良いけれど、このまま認知が広がって、定着してくれれば幸いです。
丼については、モード的にしばらくは九龍城風叉焼飯をやればといいと思うのよ。もちろん、玉子をつけてな!
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