伊勢海老料理の「中納言」は、平安時代の歌人、藤原兼輔ゆかりの屋号なんだそうな。
まぁ、実際のところは、創業者が堤という名前のおっさんで、堤中納言物語にひっかけただけらしく、雅もへったくれもありません。

高知の大橋通り商店街にある「中納言」は明治20年創業のお餅屋さんです。
大納言小豆にこだわった創業者が「大納言だと恐れ多いが、少納言だと志が低い」と中納言を名乗ったらしく、それでも十分頭が高いように思えるし、じゃあ店頭の看板に描かれている貴人は誰なんだよという疑問も残るんだよな。
さておき、”高知市民の台所”と称された大橋通りもだいぶ淋しい状況で、生鮮類を扱っていたであろう店舗の多くが閉店してしまったようですね。
古い市場につきもののお餅屋さんも、商店街の入口に立派な店舗を構えてはおりますが、商いは小じんまり。
本店の他に「高知大丸」やイオンにも出店。高知駅などにも商品をならべて活路を見出しているようです。

お昼前に併設の茶店が営業を開始して、お赤飯や甘味などをお手頃価格で提供します。
飲食としてはあんまり気合の入らぬ体裁でありますが、商店街に買い物に来た爺さん婆さんがちょこっと休憩していく場のようですね。
せっかくなので、私も季節の栗おこわをいただきました。
ちなみに、タクワンの部分は従来玉子焼きだったようで、やはり玉子焼きは高知っぽいなと思うのです。
簡易なお吸い物と、みるく饅頭1/4切れもついてきます。

おこわはお茶碗に軽く。
簡易に温め直したものらしく、やや水っぽい仕上がりです。
業務品を使った栗つぶはややチープなんだけど、それよか、たっぷり入った大納言がツヤっと豆っぽき食感を残していて印象的。

看板に掲げる力餅や四角く焼いたバウムクーヘンも気になったのだけど、あんまり掘り下げる意欲は湧かんだわ。
オススメ: ★



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