高知の ”けんぴ” をご存知でしょうか?
土佐藩初代藩主、山内一豊公の御入国の折に献上されたという、300年以上の歴史をもつお菓子です。

その元祖である「西川屋」の本店を覗いてみました。
繁華街からはちょい離れた知寄町一丁目の電停前に立地するのだけど、あんまり老舗っぽくはない構えだな。
本店に来ると、まずまずな上生菓子も購入できますが、その他の主要商品は大抵のお土産店にもならんでいるので、観光客が足を伸ばす価値は薄いかも。

ケンピは ”堅干” と書くようです。
小麦粉に糖蜜と卵を加えて練った生地を、細切りにして焼き上げたもの。
密度が詰まってバッキリ硬いため、オッサンは弱った歯が心配で迂闊につまめねぇな。
でも、噛んでいるとじんわり甘みが広がり、しみじみと質実剛健なおいしさがありますよ。
現代では、ココナツやチーズなどのバリエーションも増えている様子。

目下の主力商品は、梅不しの方なのかも。
こちらも山内侯御愛好となる伝統菓とのこと。
砂糖をシャリシャリとまぶしした求肥の中に梅紫蘇を仕込んで、ほのかな酸味と風味を付けております。
たかし君のアンパンは、朝ドラ以降、ご当地で流行している、パン饅頭。
ふんわかしっとり、マーガリンのコクの感じる皮で粒あんこを包んでいます。

中央公園に「てんこす」という土佐土産のセレクトショップが営業中。
謎のSF感が漂うアートな建造物なのよ。
向かいにある「高知大丸」の名産コーナーが全くもって期待できないので、そこそこ商品が揃ってるこちらの方が実用的です。

現在、元祖式の堅干を製造するお店は多くなさそうなんだけど、こちらでは「オオクラ製菓」のものが手に入りました。
膨張剤も入り、「西川屋」ものより軽く、ガリザクなスナック食感。
ボーロを硬くしたような、素朴でほんのり甘い香りで、お味も悪くありませんよ。

一方、”けんぴ”と聞いて、我々県外人がまず思い浮かべるのは、芋けんぴの方だよな!
元祖堅干と形が似ているため、芋けんぴと呼ばれるようになった経緯で、こちらも100年ほどの歴史があるのだとか。
土佐は山が多く、水田は作りにくいの反面、さつまいも栽培には気候や土壌が適した土地。
現在も日本有数の産地なので、芋けんぴも県内各地で作られているようですが、彌太郎のふるさとである安芸市には特に古い歴史があるようです。
やはり「てんこす」で「川島製菓」の商品が手に入りました。
なるほど、”昔ながら” は ”やわらかめ” なんだな。
実際は、バキッと糖をまとい、あんまりソフトな感じではなかったんだけど、比較的細切りなので、かじりやすいかも。

高知駅構内の「Kiosk 高知銘品館」はお土産処としても、ほどよくまとまった良店です。
店内の一角で、芋けんぴを揚げているのが、ご当地らしさなんだよな。
南国市に本拠のある「高知食品」の出店ですが、旧駅舎の頃から高知駅の芋けんぴ屋さんとして、愛される存在だったようです。
平日はあんまりお客が来ない中で、そんなに揚げて、そんなに積んで、大丈夫かいな!?と横目で見ていたのだけど、人が動く週末にはバンバンが客が来て、あきれるほど大量に買っていくのです。すげぇ。

喫茶で隣席だったヲバちゃんたちも「高知食品」のを一押ししていたのを聞いていたのだけど、揚げたてフレッシュなコンディションの芋けんぴを購入できるのが最大のメリットのようです。
私は一番小さな250gのパックを買ってきました。
パックせずテープで止めただけの袋なので、日持ちはしませんが、そんなことは気にする必要がないくらいの瞬殺でしたよ。

カリッというよりも、サク&ジュワッと食感。
落ち着いて考えてみれば、炭水化物+糖+油という、デブの大敵ジェットストリームアタックなんだけど、不思議と不健康な感じしないのは、やっぱ揚げたてだからかな。

空港や大きなお土産屋さんで一番、目立っているのが四万十町「水車亭」の芋けんぴ。
さすがに頭おかしいんじゃないかってくらいの、どえらい大容量パックも販売されております。

「水車亭」の罪は塩けんぴという魔物を世に放ってしまったこと。
芋けんぴって。元々が旨いから次々手が伸びるんだけど、やっぱ油もんなので、やがてハタと手が止まるのよ。んで、胃がえれぇ重たいなって気がつく顛末。
当店の商品は、他よりも細切りで芋っぽさは薄いんだけど、その代わり、食感が軽いんだわ。
軽い上に、塩梅よき塩味がついているのが曲者で、甘重さをさっぱり吹っ飛ばして、欲望の先へさらに手が伸びてしまう罠。
私は特に甘じょっぱが大好きだから、一袋食い尽くしちゃうまで止まれないな。
うっかり巨大パックを買わないでよかったよ・・・

字面を見ただけではどんなものか想像できない、郷土菓子3点。
空港の売店で購入した安芸郡田野町「松本米穀店」のかんばあげ。
「てんこす」で購入した高知市「オオクラ製菓」の中菓司。
「とさのさと」で購入した宿毛市「東七福堂 東新」のきんぼ。

”かんば” とは干し芋のことらしく、もち米に混ぜて、”かんばもち”にして食べるんだそうな。
かんばあげは、かんば餅をスライスしてさっくりヒラヒラっと揚げたもの。油のコクとほんのり素朴な芋の風味がありますよ。
中菓司は、ケンピ同様、小麦粉に糖蜜や水飴を加えて焼いたお菓子。
粉というよりは飴寄りの配合で、ガリガリッとハードな歯ざわりから、若干ネッチリと残ります。焼き上がりの景色がちょっと面白いな。
魔神柱のごとき、きんぼはお米で作ったおこしのようなお菓子。
カリッと強めの歯ざわりで、中はザクザク。ごまの若干残り、生姜がヒリリと効いています。
高知にもいろんなお菓子がありますね。
やっと終わったーーー



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