皆さんご存知の「アンデルセン」は広島発祥のパン屋さんです。
1948年に創業した、後の「タカキベーカリー」の中心ブランド。我々がトングをカチカチさせながら選ぶセルフ式販売法を導入した草分けでもあり、冷凍パンや冷凍パン生地の製造についても先駆者であったことが、今日の一大チェーン化を実現させました。
創業者がコペンハーゲンで食べて感動したデニッシュペストリーを、日本で初めて売り出したお店でもあります。それがブランド名にもつながり、デンマークとの強い絆が続いているようです。
アンデルセンの本店は、広島市一の商店街である本通りにおいて、最も立派な店舗なんじゃないか。
原爆遺構である旧帝国銀行広島支店を買い取って改装したもので、2020年にリニューアルオープンした2代目となります。
個人のパン屋さんから、大きな工場やチェーン店に成長した例は他にもあるでしょうけれど、地域の牽引するような、文化の香り漂う大店に成長したお店は珍しいかもしれません。
これがまた、すごいお店なのよ。
パン屋さんとして日々の糧を商うだけでなく、パンと共にある上質な生活をも提案するお店。
中の作業が見えるパン工房はもちろんのこと、試飲カウンターもあるワインコーナーや、自家製惣菜やこだわりの食品、花木などなど、オサレで意識の高いものがパンパンに詰まった、お江戸でも最先端を張れる売り場です。それが、昨日や今日から始まったものではなく、昭和の時代から模索されていたってんだから、嘆息しちゃうのよね。
しれっと「ジャン・ポール・エヴァン」まで入ってて、あれってば、アンデルセンで作ってたのか!?
お目当てのイートインは、1階に簡易なサンドイッチスタンド。2階にゆったりとしたフードコート風もレストランが入って、下で売られているデリと組み合わせた洋食メニューを提供しております。
ほんとはこちらでのモーニングを楽しみにしてたんだけど、目下、レストランでは週末のみの提供らしく、1階だとやや簡易な体裁なんだよな。
その代わり夜は予約制のデンマークブュッフェなんてのも用意されているのか!!
今回はティータイムに、好みのケーキを選べるデザートプレートです。
ちょうど、店舗ではデンマークフェアが行われており、かの地の春祭りに食べられるというファステラウンボーラをいただきました。
リング型に焼かれたサクサクのパイの真ん中に白桃といちごのジャムを詰め、クリームとチョコがあしらったケーキです。添えられているのはフルーツとバニラアイス。
迎え撃つ私もハーブティーなぞをしばいて、高き北欧意識に競り負けないよう頑張りましたわ。
コロナ対策なのか、QRコードでの注文方式となり、お店からの接客圧もないので、ひたすらゆっくりできる環境でしたよ。
本店2階に誰得なヴィーガン料理店を作った「ボンパドウル」よ。見てるか、地域が自慢できるお店はこういうのだからな!
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