ニシタチの怪しげな路地にある有名店。
宮崎スタイルの地鶏炭火焼の元祖を掲げるお店です。

多すぎるくらいの飲食店が軒を連ねる歓楽街でありますが、行列を作るほどの人気店は決して多くはありません。
こちらはその筆頭たるお店で、この日は混雑を予想して、口開け直後にたどり着いたのですが、店内はすでにみっちり埋まっており、ピン客ゆえ、カウンターの隙間にギリギリ滑り込めた状況です。店を出る頃には、店頭に人だかりができておりましたしね。
眼の前では、姉さんがバンバン炎を上げながら豪快に鶏を網焼きしとるのよ。
メニューは絞られており、とりあえず鶏のたたきで焼酎を飲みつつ、ももの焼き上がりを待ち、足りなければもう1品。最後はピラフかおにぎりで〆る流れみたい。
ちなみにもも焼きにはきゅうりと鶏スープがデフォで付いてきますから、これと酒だけでも十分か。

親鶏を使う基本のもも焼きは、骨付きを切り開いた状態で焼かれます。
滴る肉汁の煙で燻されて、真っ黒になるのが特徴なのよね。
さらにのれん状に細かな切込みも入るのですが、骨から外して、細かく切ってもらうことも可能で、私のように記録写真の業を背負った者でなければ、その方がずっと食べやすいと思いますよ。
なぜなら、骨まわりや筋の部分はほぼ生だから! こりゃなかなか噛み切れないぞ!
もちろんフォークなぞはなんの役にも立たんので、骨ごと持って原始人よろしくグワッと齧りとり、わんぱくの子みたいに口を膨らませながら、ひたすら咀嚼するしかありません。
絶対食わんと決めていた生鶏ですが、やはり南九州での食習慣は根強いみたい。一部の鶏専門店だけでなく、街の居酒屋レベルで広く、刺し身やたたきが定番化している様子でした。
焼酎飲んで殺菌とか、なにやら特別な処理がなされているともいわれますが、有用な手法があるならば全国でやってるだろうし、リスクを概ね気合で乗り切っているような気もするんだよな。
炭火焼すら、見た目に反したレアで出てくるのが現地流だったか。
正直、もっと火を通してもバチは当たらんのじゃないかって気はするのだけど、ただ、味はすごく旨いのよ。
鶏自体がまず上等だし、焦げ香が一種のスパイスになってるんだな。コリコリと噛みしめると、じゅんわり肉の味と脂が滲んできて、たしかに、たまらん食べ物ではありますね。

甘ダレで焼かれたもつ焼きも、とろりプリッとレアーな焼き加減。
もも焼きは立つ続けにもう一本食べたいくらいだったけど、レバーはこの半量くらいで丁度いいかもな。
お酒は百年の孤独をいただきましたが、まろやかで香りよく、おいしかったです。
遠き旅先でお腹が痛くなっても困るので、今回はこのお店だけに留めましたが、炭火焼きはもう何軒か食べ比べてみたかったなぁ。
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