旅記事が溜まりまくって、こまっちゃう!
ということで、まことに恐縮ですが、これから始まる長崎編は、一年遅れの内容となりますことをご了承くださいませ。
つか、わざわざ季節が合うように遅らせたんだもん! ←つんくさんも苦笑いのいいわけ

いやね、心配なのが、長崎新地中華街なのよ。
皆さんご存知の通り、日本三大中華街の中で最古の歴史を持つ雄。
同じく中華街を観光名所とする横浜市民にとっても、その動向が気になる存在ですよね。

ガッラガラのガラ!
店も全然無くなっちゃってるじゃん!
もはや、中華”街”ではなく、すっかり寂れた赤っぽい通りでしかありませんした。

結局、ちゃんぽんという強すぎる名物を背負った弊害で、料理店としての地力が削がれてしまったんだろうな。
観光客はそれっきゃ頼まないんだから、腕を示す大皿料理みたいなものは廃れるし、客単価を確保すべく、釣り合わない価格でちゃんぽんを出して、「なんだ、たいしたことねぇな」とガッカリされる悪循環。
会食や宴会利用をしていた地元民もやがて足が遠のき、コロナを期にバス団体客が途切れると、たちまちに干上がってしまった流れかもね。しらんけど。

近頃は往時の大混雑が戻ってきた横浜中華街だって、一つ間違えば、こんなことになるんだなと背筋が冷えたのです。
もちろん、長崎は町場中華こそが侮れない街なので、中華街に立ち寄らずとも食に困ることはありません。
しかし、貴重な観光資源を、ここまで弱った段階から復活させていくのは容易ではないだろうな。

そんな中華街から、歩いて3分ほどの場所に唐人屋敷跡があります。
鎖国の時代、出島で暮らしたオランダ商人のように、唐人もまた一箇所に集められて生活を管理されておりました。
開国を期に居住エリアは新地中華街の方へ移って、元の街も火事で燃えちゃったようなのですが、現在も館内町内に、いくつかの遺構が残っております。

土神堂

普通の下町っぽい風景に、こういうものが何気なく溶け込んでいるところが長崎文化の凄さよな。

天后堂

唐人屋敷跡のエリアも観光化を試みた痕跡はあるのです。
しかし、さっきから一人の観光客にもすれ違いませんし、新地中華街からしてあの惨状なので、お土産も飲食もパッとせずに散っていったようですね。
いやいや。ちょっとした茶藝館でもあったらそれっぽいし、観光風情やポテンシャルは十分に高く思えるのだけど、いまいち活かせてないのが、ご当地の衰退兆候なんだろうな。

観音堂
それにしても、こんなユルい保護で良いのかなと思ったりもします。

福建会館

失礼な話、荒れた雰囲気が往年の香港映画やキョンシーっぽさを想起させて、逆に味わいあったり。

エキゾチックこそが長崎の魅力。
鍛冶屋町にある崇福寺もかっこいいんだよな。
福州出身の華僑達に招かれた僧、超然によって、元和年間に創建された唐寺です。
ちゃんぽんのルーツもそうだけど、やはり福建とのつながりが強いんだな。

国宝である第一峰門は、唐船で運ばれた材料を組み上げて作られました。

もひとつ国宝の大雄宝殿。

内部には釈迦如来と十八羅漢像。

黄檗宗のお寺なので、木魚の元祖である、例のでっかい開梛も釣られております。

媽姐門

貿易港だけあって、媽姐廟が設置されておりますよ。

横浜中華街のビッカビカも面白くはあるのだけど、やはり歴史の重みにはかないませんね。

なんとも渋いっす。
この他、重文である三門も含め、文化財の宝庫なのですが、やっぱり観光客が全然いなくって、逆に不安になるような、貸し切り見学なのよ。

京都で混雑に揉まれるのが馬鹿らしくなる、贅沢でもったいないくらいの長崎旅。
食レポもご期待ください!
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