2023年8月までの記事を =懐古編= https://taputapu.info/archive に移設しました。
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松山市「アサヒ」の鍋焼玉子うどん

うどん食いで知られる四国の民。

ここ松山の名物として挙げられるのも、やはりうどん、それも鍋焼きうどんだというのです。

戦後の食糧不足のうんちゃらとか、漁師が身体を温めるなんちゃらとか、いくらでもストーリーをこじつけることはできそうですが、この温暖な地において、グツグツの鍋焼きうどんが流行ってしまった背景は正直よく分からんし、街中に数多専門店が存在するわけでもなさそうなんだよな。

そもそも鍋焼きうどんを食べ歩こうなんて発想が出てこないもん!

しかし、ここまで来て素通りするわけにもいかないので、代表店だという「アサヒ」にやってきました。

お店は松山銀天街裏手の路地にあります。

ヲバちゃん達が忙しそうに働いている店内は、渋~い古食堂の風景で、とってもいい感じ。

そして、信じられんことに、だいぶ蒸し暑くなっているこの時期にすら、熱々鍋焼きうどんを求める地元の中高年層が次々やって来て、昼時は満席の盛況ぶりだったのです。

とりあえず、ご当地にばっちり定着している文化であることは間違い無さそうよ。

お料理の到着と共に卓でお支払い。

このアルミ小鍋で提供されるスタイルが定番らしいのですが、実に昭和レトロな風情で、温泉旅行にやって来るインスタ女子どもの琴線に引っかかるのかもしれません。

しかし、松山の鍋焼きうどんは予想だにしなかった荒ぶるローカル食だったのです。

ペラいアルミのレンゲでもって、まずは汁をズズッと啜ってみると

なんだこりゃ! エッロ甘ぇな! 

もはや出汁がどうとかこうとかの話ではないわよね。揚げや牛煮からの影響を差っ引いても、うどん汁自体がかつて食ったことないくらいに甘くって、たまげたわ。

甘さがすなわち贅沢だった時代の遺物。なるほど、これがお客を惹きつける魔の部分か。 

そして熱々ツルツルなうどんが食道を容赦なく焼き尽くすサディズムよ。それでいて、卵は半熟のほどよい加減に仕上げてくるのはさすがの熟練といえましょう。

ちくわ、野菜天、かまぼこという、ご当地らしいこだわりの練り物三種も乗っかります。 

いなりずしは一個から注文可能。

中には五目ご飯がみっちり詰まっており、やはり甘めな味付けでしたわ。

コメント一覧

  1. つちころり より:

    贅沢品、という側面もあるかと思いますが、そもそも南国特有の、調味料としての砂糖なのでしょうかね。

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